こりゃ、こぶとりじいさんと同じだな、あはは、そのうちに引っ込むだろう、なんて簡単に考えていました。
しかし、時間が経過しても、こぶが小さくなることはなく、かえって大きくなって行きました。
気になったので、1年前に粉瘤を切開した地元の外科に行くと、「当院では対応できないので、腫瘍の専門医を紹介しますね」とのことで、街中の病院の形成外科を紹介されました。
形成外科でMRIを撮ると、腫瘍は顎の骨から来ているとのことで、形成外科から歯科口腔外科を紹介され、転院、いえ、形成外科と口腔外科は同じフロアに受付があったので、転科でしょうか、になりました。
予約を取った予定日の数日前に、担当のドクターから私のスマホに電話がかかってきました。既往や今の状況などをお話し、当日はCTを撮影してから診察しましょう、ということになりました。この時「顎骨骨髄炎の可能性が高いです」と言われました。予約の前に電話がかかってくるなど、私も妻も未だかつて経験のない事です。今思い返せば、治療を行うドクターが、ドクターとして確認しておきたい何かが、私の病状にはあったのでしょう。
やはりMRIの画像を見て、ドクターはおおよその診断が出来ていたようでした。CT画像を見て、顎骨骨髄炎と診断されました。
治療は局所麻酔の当日帰宅では不可能で、5泊6日の入院、全身麻酔での手術になるとのことで、その日のうちに全ての段取りをしました。
私の妻はかつて、脳の血栓症、子宮頸がん、心房細動、うつ病と、様々な病気をし、何度も入退院を繰り返しました。その都度私は病院と連絡を取ったり、事務手続きをしたり、必要な物を届けたりと、彼女のケアをしてきた経験があります。
私はいろいろと忘れてしまっていることもありますが、いつもそばにいる妻は、入院や手術が、どのような状況だったのかを鮮明に覚えています。
私の記憶と、あいまいな箇所は、実際に何度も入院と手術を体験した彼女の記憶なども交えながら、今回、こちらをお届けしたいと思っています。
皆様のお役に立てれば幸いです。