お盆の解放と介護の一歩前進 ― 墓じまい・父の入所で感じた安堵とこれからの人生

 今年のお盆休みは、例年になくリラックスすることが出来ているような気がする。

 これは価値観や環境の違いがあるのだとは思うけれど、私たち夫婦にとっては、義父のマスターベーションであり、苦痛でしかなかったお盆の行事から解放された事がまずひとつある。

 墓じまいが完了して、墓はなくなった。
 
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 そして、私自身には、時代に全くそぐわない非人道的な労働と、それに見合わない賃金からの縛りに解放されつつあるという安心感、安堵感がある。

 実の両親の介護も、状況は落ち着きつつある。

 母は何とか特別養護老人ホームに入ることができた。ここまでが大変だったのだけれど、施設に入ることさえできれば、あとは年金と母自身の貯金とで何とかなりそうな感じがしている。

 最近までは父の介護で苦労していた。父は意識もハッキリしており、自分の足でそれなりに歩くことができる。流ちょうにいろいろなことを喋る。しかし、今まで母に頼り切りだったので、家事ができない。教えても覚えられない。

 そんな状況で、認知症が発症した。

 父は要支援1と要介護度が低いので、行政からのケアもあまり受けられない。

 家族である姉が中心となり、面倒を見てくれていたのだけれど、姉は父からの電話がしつこすぎて出ることができなくなり、この電話を私が受けることになった。

 私も同様に、数ヶ月の間、父からの電話に苦労した。

 しかし、姉も私も、お互いにもうダメだと限界になり、地域の包括支援センターに相談することになった。こちらは以前からとても良くしてくれており、私たちの状況をしっかりと理解し、これ以上ないスピードで対応してくれた。

 私が離れてしまっており、一か月に一度しか実家へ行くことができない、という状況も、少し幸いしたかもしれない。だらだらと長引くことなく、直近の帰省で全てがまとまるよう、包括支援センターの方が段取りしてくれた。

 実家のある市には、小規模多機能ホームがある。これは、デイサービスのように通う「通い」と、ヘルパーさんが訪問してくれる「訪問」と、ショートステイのように泊まることができる「泊まり」を柔軟に組み合わせて利用できるという施設で、父の状況にピッタリだった。実家から歩いて行くことができる距離にあることも幸いした。

 グループホームという所もあるが、こちらとは少し性質が違う。小規模多機能ホームは、自宅での生活と、施設との生活とを組み合わせて、何とか自宅で住み続けることができるようにと、ケアしてくれるのだ。

 父がこちらに入所してから、一か月程が経過した。

 自宅での買い物や、郵便物のチェック、洗濯や掃除、ひげ剃りの掃除に至るまで、生活に関することであれば、何でもケアしていただけるので、とても助かっている。

 現在は週に三日ほど泊まりにしているのだけれど、状況によってはこれを増やして行くことで、父の状況の変化にも対応できると思っている。

 数ヶ月前、あれほど悩まされた父からの電話は、現在全くかかってこなくなった。施設の方々に感謝するばかりである。

 次の仕事は、何とかなると思う。

 あわてず、ゆっくりと考えようと思っている。

 私も来年の3月で還暦になってしまう。

 結婚してから、40代、50代は今ひとつだったので、60代は楽しく幸せに生きていくことができればいいななどと思っている。