インプラントと人生

 同級生で、先日誕生日を迎えた男性がいた。

 会話の中で、「もうすぐインプラントが入る」と言っていた。

 世界を股にかける大企業戦士である。

 私もかつてはせっせと歯医者に通って虫歯を治していたが、今は情けないことに行くお金を捻出することができない。というよりも、どうしても歯を治したいのならいろいろな所を節約して何とかするのだが、コロナでマスクをしている事もあり、その必要性があまり感じられなくなってしまった。

 現在、奥歯が一本なく、前歯も先日少し欠けてしまったのだが、放置である。大企業の戦士だったり、偉い人だったり、営業などの人に会う仕事だったらちょっとまずいのかもしれないが、大型車の、特に重量物を扱う大型車の運転手などは、歯のない者もそこそこいるから、私も彼らに倣って、これでいい。

 カミサンは最近、歯茎が痛むらしい。だましだまし暮らしていたようだが、ついに耐えきれなくなって、先日歯医者を予約していた。〇日の15時以降で予約をお願いします、と言ったら、その日に取れて喜んでいた。かつてはなかなか予約が取れないという状況もあったが、今はそうでもないのだろうか。

 私の住んでいる地域は人口の割に歯医者が多いような気がする。屋久島には歯医者が二件しかなくて通うのに苦労したが、ここではそんなことはない。

 芸能人は歯が命、とはよく言ったものだ。

 今話題のWBCの野球選手のなかにも、歯がとても白い人がいる。

 カミサン情報によると、高いものだと1千万くらいするらしい。これはさずがにAmazonやメルカリで買うことはできないので、ちょっと検討が必要だろう。

 実家に高速道路を使って帰る際、最終的には東京都内から中央自動車道に入り、国立府中インターという所で下りるようになるのだが、その、中央道の新宿から少し走ったあたりの左右のビルの屋上に、広告が沢山ある。かつては「ワールド」というサラ金の広告ばかりだったのだが、先日帰った際に見てみると、ここが全て、八王子にあるインプラントの歯医者の広告になっていた。先生の顔が大きく写っていて、ひらがなでわかりやすく、医院の名前が書いてある。

 高齢化社会まっしぐらの今、同級生が入れた位なので、かなりの需要はあるのだろう。
しかし情けないのだか何だか、同じ高校を同じ時期に卒業して、社会に出て生活していても、数十年経過すると、生活に格差が生まれているのを実感する。

 土日が当たり前に休みの者がいる一方で、ブラック寸前でこき使われている者もいる。
インプラントを入れるほど、資金的に余裕がある者がいる一方で、歯が欠けてもそのままの者もいる。

 東日本大震災で落ち込んでしまった人もいれば、これをバネにして、頑張っている人もいる。

 今までは羨んだり、文句を言ったりしてきたが、もうこれはやめよう。

 人間人それぞれでいいだろう。

 私は私の道を行けばいいだろう。

 無理しないで生きていこう。

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