ツイッターもフェイスブックも殆どやらなかったが、インスタグラムだけ、少し続いている。
ツイッターはアカウントを使い分けて悪いことをしている人がいたりすることなどが気になって、アカウントは作ったものの、殆ど身の入らない投稿ばかりが続き、放置である。
フェイスブックは実名でなければダメなので、この時点でアウトだった。名前を英語にして、fuをフランス表記のfouにして、アカウントを開設し、一時期商売に使うための広告を出そうと考えたこともあったが、見事にアカウント凍結となり、これもまたそのままである。
インスタグラムはスマホで写真を撮影し、適当に文字やタグを書いて投稿すればいいので、これは何とか続けることができている。
でも、はじめた動機が不純で、自らのeBayのストアに誘導できたらいいな、というものだった。当然英語で、日本を紹介するようなコンテンツを心がけてもいるのだが、システム上、携帯電話に登録してある同級生などにも知られてしまう事になり、何だかよくわからない投稿が続いている。
一度だけ、国際ロマンス詐欺に引っかかりそこねたことがある。それ以来、フォロー後すぐにメッセージを送ってくる方には、返事をしないことにしている。相手にしなければ、引っかかることはない。
少し前にも、とある海外の方からフォローされ、その後に konnichiwa というメッセージが来たので、これにも返事をせずにいた。
しかし、その後も一方的にメッセージが来て、内容を見ると、インドネシアの方で、正式にビザを取得して介護の仕事をするため、もうすぐ東京経由で北海道に来る予定なのだそう。
三人一組で来日し、日本で介護士として働いてくれる予定らしい。
これはロマンス詐欺ではないだろうと、私も少しメッセージを返していたら、昨日突然、贈り物をしたいので、住所を教えて下さい、と言われた。
一瞬考えて、ほぼ間違いのない、詐欺ではない人だとは思ったけれど、さすがに個人情報を簡単に書いてしまうのは怖いので、そちらの住所を教えてくれれば教えます、と返した。
すると、完璧な答えと共に、祖国インドネシアの海外労働の許可証や、日本の就労ビザの写しなどが送られてきたので、これは申し訳なかったな、と思った。
私は何もしてあげられないのに、贈り物、突然のプレゼントには少し困ったものの、こちらの方達はとても大変な思いをして、私達には考えられないような努力をした上で、日本で介護の仕事をしてくれるのだよな、ということを考えると、これまた頭から断るのは申し訳ないという気持ちになり、こちらの住所を伝えた。
住所を伝えると更に、Tシャツを贈りたいので、サイズを教えて下さいと言われたので、これも少し考えてしまったが、彼女たちの気持ちを考えると断る理由も見つからず、サイズを教えた。
日本の介護の現場は、人手不足で大変だということは、テレビなどを見て一応知っているつもりだが、まさかこんな形でこの事実を突きつけられるとは思わなかった。
12月でも最低気温が25度というインドネシアから、水道が凍結するような寒さの北海道に行き、更に言葉も違う私達日本人の高齢者の介護をするという、このような決断をしてくれた彼女達に感謝すると共に、何だか私達日本人のために、自らの生活を犠牲にしなければならないという点において、申し訳なく、可哀想にもなってしまうのである。
それなのに、たかがインスタグラムで一言二言交わしただけの、身元も俎上も、それこそどこの馬の骨かも何もかもがわからないこんな私に、贈り物をしようと考えてくれるなど、本当に人間として気持ちが優しい方達なのだなと思った。
九州、沖縄あたりならまだしも、これが北海道ということなので、この気持ちは余計に大きくなってしまう。心配してもどうにもならないのはわかってはいるけれど、現実を知ってしまった一人の日本人として、やはり寒さは大丈夫なのか、異国の地で暮らしていけるのか、職場で上手く働くことができるか、いじめられないか、などなど、心配してしまうのである。