カミサンが家の中で転んでしまった。
今まで普通に歩くことができていたちょっとした段差なのに、つまづいて転んでしまった。
彼女は脳の病気をして以来、血液をサラサラにするリクシアナという高価な薬を飲み続けている。その副作用なのだが、打撲をするとすぐに「あざ」になってしまい、なかなかなおらない。
今回も、家の中で転んだだけなのに、彼女の膝小僧は、目を背けたくなるような内出血と、ボクシングのグローブばりの腫れになってしまった。かなり痛いらしく、上手く歩く事もままならなくなってしまった。
当日は私も休みで家にいたし、不幸中の幸いなのか、私も粉瘤の経過を見せるため外科に通院しているので、一緒に外科に行き見てもらったところ、骨には異常がないとのことだったので、一度は安心して帰ってきた。
しかしその晩、腫れは更に酷くなり、加えて、今にも破裂しそうなぶよぶよの腫れ物が出てきてしまった。彼女は再び一人で医者に行き、中の液体を抜いてもらって帰ってきた。痛みは引いたようで、私の粉瘤の症状の如く、このまま時間の経過と共に良くなって行くだろうと思っていた。
今日の朝、彼女が私の所にやってきて、今度は久しぶりに動悸が起きているのだという。ちょうど薬をもらいに行くタイミングだし、心配なので、今日、循環器の先生の所に行って来るとのことだった。
子供の頃は、転倒した所で何ともなかったはずだ。酷くても擦り傷程度で、そんな痛みは一晩眠れば忘れてしまっていたはずだ。
しかし歳を取ってしまうと、一転びで大変なことになる。今回のカミサンもそうだし、義父に至っては転倒をきっかけに、要介護5の寝たきり状態になっている。
気持ちや頭の中では歳を取っていないと思いがちだが、私たちは今年58歳となる、れっきとした「じじばば」である。つい先日同級生が早期退職したように、以前の常識ならリタイヤしても全然おかしくない年齢である。
心して生活せねばと、気持ちを引き締めた次第である。