何やら意味深なタイトルだが、昨日はその通りだった。
遊びとか、浮気とか、そんなのではない。
カミサンも私と同様、今となっては友人付き合いなどは殆どない。毎日職場の同僚や私との生活になっている。唯一仲のよい友達が一人いて、よくラインをしたり食事をしたりしているが、彼女はカミサンが病気の時に私の代わりに立ち会いをしてくれたりした、カミサンと私にとって大切な友人だ。
この友人も体調を崩したり、家庭内でいろいろなことがあったりして、二人で何とかこの更年期を克服するべく、情報をやりとりしたり、一緒にストレス解消をしたりして過ごしている。
今日はその一環として、彼女の家に泊まりに行った。お互いに状況がいろいろとあり、今日が泊まりに行くことができる最後のチャンスだった。
もちろんあらかじめ告げられていて、カミサンはその性格上、夕食やその他、私の身の回りの準備を周到にして出かけた。昨日は早く帰っても時間が余ってしまうなと思ったので、ホワイトデーのお返しを、会社近くのイオンに買いに行った。
夕方暗くなってからスーパーに行くことなど、最近では殆どない。夕食のおかずを買い求める独身と見られる人たちが数多く見受けられ、私は幸せなのだと改めて思うと同時に、カミサンと結婚できてよかったな、と、思った。
あのままずっと屋久島にいたら、果たしてどうなっていたのだろうか。少なくとも愛車のランクルは潮で錆び付いて、もう使えなくなっていたに違いない。
今のこの家に住み始めてから、一人で夜を過ごすのははじめてかもしれない。いつも義父がいたし、カミサンも一人で泊まりに行くことなどは殆どなかった。
若い頃は一人で車に乗って、あっちこっちへ出かけていた事が嘘のように、今では家に居着くようになってしまい、いつも話し相手となっているカミサンがいないひとりぼっちの夜は、寂しく思えるようになってしまった。
人間、年と共にいろいろと変わるようである。
カミサンの作ってくれたおかずを暖めて食べ、食器を洗って片付け、明日の朝だと面倒くさいので制服の洗濯をして、ぼけっとテレビを見ていると、カミサンから電話がかかってきた。
「ラインしたんだけど全然見てもらえないから電話したよ。元気ですか?」
との事だったが、こちらは今日は彼女の存在を忘れるべく、スマホのチェックなどはしていなかった。用意された食事をきちんとして、今はテレビを見ていて、一人で無事に過ごしているので、気にせずに楽しんできて下さいと伝えると、彼女は安心したようだった。
朝は15分早く起きて、いつもカミサンが作ってくれているおにぎりを自分で作った。定番の中身である梅干しと昆布はきちんと冷蔵庫の中に収納されている。海苔も専用の置き場所にきちんと置かれていたので、おにぎりを作るのは簡単だった。
サラリーマンの頃、給料の手取りが11万円なのに、ランクルの借金の返済が月10万円あって、どうしようもなかったので、毎日弁当を作って持って行っていたのを思い出した。屋久島にいた時は、ごはんを持っていけば、いくらでもとびうおの刺身が船の上で食べられたのだが、これもはじめの頃は感動したものの、慣れというのは恐ろしいもので、しばらくすると飽きてしまい、最後は100円位の魚の缶詰をエーコープで買って持って行っていた。この食事は、佐川急便時代まで続いた。
そんなこんなで何とか峠を越え、今日は家に帰れば、いつものようにカミサンがいる予定だ。
大事なパートナーを幸せにするべく、もっと仕事を頑張らねばと思うのであった。