家族の絆と現実を見つめて:結婚式から感じたお金の力

 カミサンと仲の良い友人の娘さんが結婚した。

 東京に出て働き始め、マッチングアプリで大手一流の銀行員さんと出会い、見事にゴールイン。彼も地方出身。

 カミサンの友人と彼女の夫は、離婚の危機に瀕していた。もうダメだという寸前で、何とか折り合いが付いたようだったのだが、今でもわだかまりはあるようだ。

 二人をつなぎ止めたのはお金のよう。

 彼はかつて超一流企業で働いており、おそらく収入は今の私の5倍位はあったものと想像される。定年して、今は地元に戻ってきて、とある会社からのオファーを受け入れて、そこで働いているが、やっぱり超一流企業で数十年営業として勤め上げた実績は大きいようだ。

 結婚式は簡単ではない。

 母親であるカミサンの友人は、衣装合わせに何度か東京に行っている。

 そして費用。

 新婦が着るレンタルのウェディングドレスは30万ほどするのだという。お色直しのドレスも20万とかで、これを二回着替えるのがおすすめらしいが、これだけで大変な金額になる。

 そして驚いたのが私たちの世代のビデオ。今の時代で言うところの動画だ。

 私は昨日、招待された人のみ見ることのできる動画を、カミサンから見せてもらった。

 カミサンと結婚式を挙げた新婦とは、とても仲がいい。LINEで動画のリンクをもらえたようだった。

 この動画、結婚式を終えたその日のうちに送られてきたのだそう。

 そして、その動画は、MISIAの昨年の紅白のトリで歌われたアイノカタチではじまり、素晴らしい出来上がりに仕上がっている。

 親ではない、私達が見ても、泣けてきそうな仕上がりだった。すばらしい。

 久しぶりにいいものを見せてもらった気がしたが、これにはもちろん多大なコストがかかっているはずだ。

 花嫁とその父親とは今までは上手く行っておらず、口も利かなかったのだという。

 父親は、精神的にも参っていたようだし、家庭中も上手く行っていなかったのだが、これだけは負けないと、経済力だけはあったのだそうだ。

 そのお金を、惜しげもなく、この結婚式に注ぎ込んだのだという。

 動画の中で、父は娘とバージンロードを歩き、涙を流していた。

 いいものはいい、家族の絆って素晴らしい、という現実をあらためて思い知らされたのだが、一方で、お金がなければどうにもならない現実も垣間見ることができた。

 難しい、私たちの人生だ。

 お金がすべてではない、と、キレイなことを言いたいが、現実はお金がなければできないことがたくさんあり、私たちはそれに、一生苦しめられてきたし、これからもそうなると思っている。

 かしこ。