折り返しの電話を待つ

 施設の担当の方へ電話をした。

 たまたま運転の仕事がなく休みだったので、朝一は申し訳ないなと思いつつ、9時を少し回ったところでご連絡差し上げるも、担当の方は対応中で、折り返し電話を差し上げます、とのことだった。

 待っている時の折り返しの電話は、かかってこないものだ。

 痺れを切らして、知恵袋などを見てみると、忙しい方の場合は、朝の電話なら午後まで、午後の電話なら夕方まで、位なら、失礼じゃないのではないか、と書かれていたので、これまた大きなストレスを抱えながら、折り返しの電話を待った。

 昼ご飯を終え、自分の部屋に戻ろうと思ったときに電話がかかってきた。私はこれまた、A4の紙いっぱいに書き込んだシナリオを見ながら、施設の担当の方と電話で話をした。

 病院から言われてきたことや、病院に対する不満などを聞いてもらったところ、何だか楽になった。いろいろと電話をしていて思うが、介護施設の方は、とても感じが良く、こちらの言うことを、きちんと相槌をうちながら聞いてくれる。

 一方、病院側は平気な顔をして、とんでもない事を言ってくる。立場上仕方ないのだとは思うけれど、今まで結構ひどいことを言われて続けてきているので、こんな印象になってしまっている。

 電話で言うことを忘れないようにシナリオを書き、電話して折り返しの電話がかかってくるまでは落ち着くこともできず、またまた大事な休日の半分以上を義父の介護のために費やすことになった。

 パートから帰ってきたカミサンに報告すると、「ほんとうにごめんね」と、平謝りしていたが、こればかりは家族なのだから仕方がない。本人にお金がないのなら大変だけれど、一応は年金があるので、これを何とか足が出ないように、そして義父を無事に介護施設に送り届けることが、私たち夫婦のミッションなのである。

 電話では、まだ具体的な入所日などは決まっておらず、ゴールデンウィーク明けになってしまうかもしれないけれど、消毒や食事の用意なども含めて調整中です、決まり次第連絡します、とのことだった。

 もう大丈夫だろうと思いつつ、やはり彼が実際に施設に入るまでは、安心できないのが悲しい性分である。

 何事もなく、この先も進んでくれる事を祈るばかりである。