親のために、キャリーケースでドリルを運ぶ月曜日──見守りカメラ設置奮闘記

 来週の月曜日は休みをもらって、親の住む実家の東京に、「見守りカメラ」を取り付けに行く予定だ。

 地元駅は始発、新幹線に乗って8時頃東京駅に到着する。

 そこから中央線快速で新宿まで行き、京王線に乗り換えて、今回はレンタカーを予約している某駅まで行く。

 カメラ取り付けは三台。一台は父の部屋、一台は母の部屋、ここまでは何ともない。配線を取り回して繋げばいい。(それでもコンセントがどこにあるか、空きがあるかとか、どの位距離があるのかとか、面倒な事はあったけれど…)

 もう一台が玄関なのだが、これが鬼門。取り付けるにはモルタル塗装の玄関口のどこかにドリルで穴を開けるか、強力な接着剤などで固定する必要がある。カメラを固定する専用の金具があるにはあるのだけれど、これはポールのような支柱に対してのもので、モルタルの壁には役に立たなそう。

 ということで、どうしてもドリルが必要なのだ。

 ドリルを回せば粉も出る。掃除機も必要になる。電気をどこから持ってくるか、電源供給の配線はどうすればいいのかも考える必要がある。

 実家にドリルはないので、こちらから持参せねばならない。ハンドドリルも購入してみたのだけれど、やっぱりちょっと心許なくて、電動のドリルが欲しい。

 あらかじめ宅配で送るという方法もあるが、実家のオヤジは荷物を送ったり品物を配送したりすると、受け取りが大変だ。それこそ10回位電話がかかってきて、こちらが疲れてしまう。

 ということで、顎骨骨髄炎で入院した時以来のキャリーケースに電動ドリルその他を詰め込んでみようと考えている。

 しかし、月曜日の朝の8時の東京駅は人がいっぱいだ。

 こんな中、キャスター付きのキャリーケースを引っ張っての乗り換えなど、考えたくもないが、親のために何とか頑張らねばならない。

 元来、後ろに物が出っ張っているのが嫌いで、雨傘の持ち方など、後ろに出っ張っていようものなら、ひっぱだきたくなってしまう性格だ。(実際にはそんなことしないけれど)

 キャリーケース然りで、今までこれを受け入れることができなかったのは、この辺りの理由による。でも、時代の流れで、キャリーケースの便利さや手軽さにはかなわず、昨年秋に私もデビューとなった次第なのだ。

 しかし、病院とは訳が違う。月曜日の通勤ラッシュの中、行かねばならない。

 最悪、精神的にどうにもならなくなったら、前に抱えて歩こうかと思っている。これは本気だ。このように俺は少し頭がおかしい。

 でも、重いだろうな。ドリルが入っているから。

 まあ、どうにでもなるのだろうけれど、こんな風にいろいろと考えてしまうのがキャリーケースなのである。

 とにかく結果が全てで、実家に三台のかめらを取り付けることができて、それを私のスマホで監視することができるようになればそれでいい。

 幸いにも21日の東京は腫れで、最高気温25度だそうだ。

 なんとかなるでしょ、なのである。