「昨日の夜、久しぶりに動悸がして、トイレに何回も起きて辛かったんだ。今も少し動悸がしてる… たぶん大丈夫だとは思うけど…」
先週の金曜日の朝、妻が唐突にこんな事を言った。
思えば彼女はコロナの前あたりに子宮頸がんになり、手術の寸前に脳梗塞を発症し、二つの病気が治ったと思いきや心房細動を発症し手術、当初は脳梗塞の後遺症が少しみられたものの、その後は奇跡的な回復を果たし、今に至っている。
これを教訓に、二人とも健康には留意するようになり、食事は野菜を中心に摂取するよう特に気をつけているし、普段の生活でもできるだけストレスが無いように心がけている。
妻は毎朝薬を飲んではいるものの、約5年の間、健康でいてくれている。感謝である。
しかし忘れてはならない。
このように病気の因子はあるし、大前提として私たちは既に60歳になっているし、いつどうなってもおかしくない。
今回も、妻にこのように言われて、やはりこの先新車を買うなんて言うのはもう無理なのかな、この先も入院したり退院したり、行く末は施設に入ったりするのかな(そもそも入れるお金自体がないのだけれど…)、なんて、若い頃からは考えもしなかったような現在、将来に向けての不安が頭の中を巡ってしまう。
土曜日の朝、私も気になっていたので、滅多に顔を出すことのない妻の職場に行って顔を見てきた。
「大丈夫だよ」
そう言う彼女はすっかりよくなったようで、いつもの接客業をこなしていた。
二人でこうして何事もなく幸せに暮らしている毎日に感謝しなければならない。
この先、お互いいつどうなってしまうか、本当にわからない。
妻も私も病気になってしまうかもしれないし、私は事故に巻き込まれてしまうかもしれない。
50になったときよりも、今回の60の方が、様々な面で重たくなった感じがしている。
人間は皆、公平に歳を取っていくものだというのはわかっているけれど、ちょっとしたことでこんな風に不安になってしまうのは私だけだろうか。
とにかくもうしばらくは、車を買ってローンを払い終わる位までは、平穏な日々が続いて欲しいなどと、切に思っている。



