東京の実家へ行ってきた。
姉から言われて、交通費も少し補助が出るというので、えきねっとで新幹線の予約を取った。
当日の東京は、台風が二つ来るというとんでもない予報。
これは困ったと思うも、私は何を隠そう、毎年の台風の通り道ともいえる屋久島で暮らしてきた経験がある。準備万端で出かけた。
家にいる父には何も言わずに出かけた。知らせると、ああだこうだ、いつ来るんだ何時に来るんだと、何度も何度も電話が来るので、もう教えないことにした。
到着すると、父は変な顔をしている。聞くと、いつも持ち歩いているマイナンバー、財布、家の鍵などが入った小さな袋がなくなってしまったのだという。父曰く、姉がやってきてどこかへ隠したと言っているが、絶対にそんなことはないだろう。
当日父は施設に行き、そのまま宿泊の予定だった。私が来たので、この予定をキャンセルして無くした袋を探したい、というような事を言ったのだが、それはこちらとしても困るので、予定はそのまま、施設の方にお迎えに来てもらうことにした。
施設の方ももう慣れたもので、姉のせいにしてはダメですと、父を窘めてくれている。いつもの朝のお迎え時のやりとりを見せてもらい、これは助かるなと、感謝するばかり。
さて、父が出かけたのでエアコンを掃除。父はエアコン命。団地内の電気屋さんで高いエアコンを買ったので、メンテナンスがちょっと面倒。適当に済ませた。
少しすると姉が来て、憤慨している。それはそうだ、認知症の父から冤罪を被せられた彼女は憤慨することしきり。一応子供だから世話しているものの、もう勘弁して欲しいと参っている。
私が設置した見まもりカメラを少し見てみたけれどわからず。やがて母の面会の時間になったので母がお世話になっている特養へ。
母は相変わらず元気で何より。一時は「間もなく看取り」宣言が出たものの、そんな宣言何のその、母らしく普通に暮らしている。寝たきりでもなく、ちゃんと車いすに座っているから、まだまだ大丈夫だろう。ご飯は嫌い、飲み物は飲まない、とか、相変わらず自分勝手な事を言っているが、これもまた母らしい。施設の方に良くしてもらって、幸せそうに暮らしているので安心した。
家に帰って、引き続きオヤジの袋探しにかかる。
見まもりカメラを精査していくと、24日の水曜日の夕方に施設から帰って来たときには、その袋を持っている。幸いかな、家の鍵に鈴が付いており、この音がとても重要な役割を果たしているなと感じた。
オヤジが袋がないと言い、その連絡を受けた施設の方が家まで来てくれたのが、あくる日25日の夕方。ここまでの間でなくなっているということになる。
この精査をする前の午前中、近くのコンビニに忘れてはいないかと聞きに行ったのだが、忘れ物は届いていなかった。
この間、玄関出入り口のカメラに父の姿が数回映っていたのだが、いずれもゴミ出しと散歩であり、鈴の付いた手提げ袋を持って家から出ていないことを再度確認。
次に、部屋のカメラで、24日夕方に帰ってきた時の映像を確認。父は袋を床に置いたのだが、その袋の端っこがかろうじて家具越しに映っている。これが動くのはいつかを見ればいいのではないかと閃いた。
案の定、夜の時間になり、父は袋を手に取った。
父は片付けが得意で、家の中は綺麗になっている。
物をすぐに片付ける性格なのだ。
ちりちりちり… と、袋は父の手にある。そして父は歩き出して画面から消える。ちりちりちりちり… どこかへしまっている様子が伺える。その方向は、押し入れだった。
次に映った父の手に袋はない。これで行けるかも、と、テンションが上がる。
私が押し入れの中を捜索すると、袋が出てきた。
「すげ~、すげ~、やった~、ひろしすげ~」
冤罪が晴れた姉は、年甲斐もなく興奮している。私も同じだった。
仕方がないとはいえ、やはり認知症はいろいろと困った状況を引き起こす病気であることに変わりはない。
今回も何とかなったけれど、先日もこの袋を郵便局に忘れてきた、ということを聞いて、気持ちが重くなってしまった。
家族と施設さんとで協力しながら、何とか見まもりを続けて行くしかないだろう。
しかし今回思ったのは、みまもりカメラを設置しておいて「本当に」よかったな、ということである。
設置を考えるにあたって、Wi-fiのない実家での設置をどうするかが鬼門だったが、結論から言えば、Wi-fi は、楽天モバイルにあるようなモバイルルーターで何とかなる。カメラ機器もTapoの物なら安価で設置自体もそれほど難しいものではない。
業者さんにお願いすると、それなりの費用と管理維持費がかかってしまうけれど、私は今現在、月々983円のWi-fi代だけで済んでいる。
かろうじて、離れて住む親の介護ができているような状態だけれど、これが我が家の介護のレベルなのかもしれない。





