運送会社の現場から見えた“働き続ける”という選択──74歳が面接に来た日

 ここへきて、私の勤める運送会社には、何人かの新人が入ってきている。

 我が社には寮があり、東北各地から来ている人が多い。寮費をほんの僅かな負担とすることで、集客できている感じがしている。

 それに加え、最近自分も身を持って感じているのが、定年の年齢。

 傭車先の大きな会社は、今は65で定年の会社が多い。その後も希望すれば勤めることができる、という決まりがあるにはある。

 我が社も求人上は一応設定がある。でも働く体力と気力があれば、何歳まででも勤めることができる、と、社長は言っているようだ。

 先日、近所の同業他社が会社を閉じた。

 今のこの時代、仕事が薄いのに加え、財政的にも小さな会社にはかなりの負担がかかっている。

 うちの会社も同じ土俵にいる訳だが、求人に躍起になる感じはあまり見られず、コンスタントに人が出たり入ったりしている。

 私はその様子を、もう十年近く見てきている。

 私は一応経験があり、範囲は狭いものの、とある所に限って言えばそれなりに顔も売れているので、もっと条件の良い会社に行こうと思えば、行くことはできると思う。

 でも、会社勤めは、それだけではない。人間関係や、会社の雰囲気、配車係との関係や仕事や業務の内容、はたまた勤務先の場所など、いろいろな事が絡み合ってくる。

 それらを総合して考えたとき、私は慣れ親しんで、何をするにも身体は疲れるけれどストレスをそれほど感じない今の会社でいいや、と思うのである。

 カネだけじゃない、というやつだ。

 少し前に75まで働かなければと書いたが、うちの会社には先日、74の人が面接に来たようだと、誰かが言っていた。

 おそらくよっぽどの事がない限り採用になるとは思う。

 働く人の中では文句も多い我が社だが、こんな所で実は隠れた魅力があるのかもしれない。

 私もがんばって、もう少しお世話になろうと思う