母の特養入所へ向けた第一歩と、父の認知症対応――介護の現実と心の葛藤

 今日はいよいよ、特養(特別養護老人ホーム)の担当の方が、母の入っている老健施設へ来てくれる事になっている。

 母がどのような状態なのかを見て、最終的に入所が判断されるらしい。

 実質的にはこれが、特養への入所への第一歩ということになる。

 書くと簡単だけれど、ここまで来るのには大変だった。

 母は正月明け、自宅で倒れて病院へ行き手術。その後どこへ行くのかを決めるのに、病院の担当者や看護師とのやりとりがあった。当初は費用面もあり、もっとリハビリの病院へ行かせたかったのだが、それも叶わず、こちらの病院の担当者の言われるがまま、老健施設へ行くことになった。担当者や看護師に電話をして、次も病院に行かせたかったがダメだった。私は常に、病院と施設との癒着を疑ってしまうので、各方向から嫌われる傾向にある。

 老健施設も今は落ち着いているが、当初はいろいろとあった。

 幸いにも姉が動いてくれて、洗濯物などの処理をしてくれているので助かっている。

 ここでも相談員、ケアマネとのやり取りがあった。姉が対応してくれた事柄に対して言われたことに、私が確認したりしたことが何度かあった。

 老健施設でも、次にどうするかを決めるのが大変だった。

 特別養護老人ホーム、俗に言われている特養は、なかなか入ることができないという先入観があったので、当初の候補には入っていなかった。

 自宅は団地の二階なので、自宅に戻るとするなら、ここを何とかクリアできなければダメだな、そうなると、かなり時間がかかるし、もしかするとそれも叶わないかもしれないなと思い、途方に暮れていた。

 父の方でお世話になっている包括支援センターの相談員さんに聞いてみると、老健施設から特養へ行く人は、それなりにいるのだという。

 地元の自治体には、老健施設がいくつかあり、それなりに充実している。そして、何カ所か申し込んでおくと、思ったより待機はなく、場合によっては数ヶ月待ち位で入れることが多いのだという。

 この状況を聞いて、私は近くの特養へ申し込むことになった。当初はあまり期待をしていなかった。

 申し込んで、帰ってきた結果は、あまりいいものではなかった。それなりの待機時間が発生します、という所に振り分けられた。

 結果に納得が行かず、役所の担当者に問い合わせをし、同時に特養にも直接赴いて状況を聞いてみようと東京行きを段取りした。

 市役所からは、翌営業日の午前中に返信があり、状況はこうですが、各施設はみなさまの状況を鑑み、入所を判断する権限を持っています、ということを丁寧に説明された。さすがだと思った。

 隙あらば状況の改善をお願いしようと出向いた特養の対応は、意外なものだった。

 私の申込書を手にして、担当者は、話を進めて行こうと思います、と言ってくれたのだ。実質的な入所は、この時に決定となった。

 施設を見学し、エレベーターで一緒になった入所者が私に寄せた心からの笑顔を見て、ここなら母を任せることができる、と思った。

 母はこのように順調に進んでいるのだが、最近の問題は父だ。

 アルツハイマーではない認知症と診断され、毎日毎日困る事象が発生し、私と姉を困らせている。

 今も洗濯をしたい、と電話があったが、父はかつて洗濯機を操作し、下の階に水を漏らしたことがあるので、ヘルパーさんや地域のお助け隊の方から、洗濯機は操作しないように言われている。

 父は自分でやりたいのに教えてくれない、と私に言ってきたが、これは申し送られた事項で、変えることができない。

 訳わからない父に、最近は振り回されている。

 最後の砦になっている私との電話だが、昨日も今日も完全マナーモードにする機会が増えた。

 仕方ない。こちらがやられてしまっては元も子もない。

 介護はこのように、時として人の精神を混乱に陥れる。

 恐ろしいものだと思う。