「義父がコロナ陽性になったので、コロナ専用病棟に移りました」と、カミサンのスマホに病院から連絡があった。
大腿骨骨折、手術、リハビリ、透析開始、そしてとどめのコロナ陽性である。
義父は好き勝手な食生活で今までの人生を生きてきており、自分に対して何の制限も課しては来なかった。その結果、80歳を超えて、様々な病気をしてきた今でも、体重が90キロ以上ある。
当然のことながら、病院内では介助が大変なはずだ。一人でしていただけるところを、二人、三人、必要になってしまうかもしれない。医療従事者の方々には本当に申し訳なく、ありがたく思う。
義父はもちろん、入院する前に、正確には救急車で搬送される前に、この病院でPCR検査を受けて陰性の結果が出ている。ということは、院内感染ということになり、うるさい家族ならあれやこれやと文句を付ける人もいるだろう。
カミサンが入院していた病院では、荷物の受け渡しはかなり厳格だった。インターホンのある扉の内側に、家族は入ることができず、看護師の方がインターホンの所まで荷物を取りに来てくれた。
ここの病院は、インターホンと扉はあるものの、それが機能していない。インターホンで呼ぶと、看護師の方に、中の病棟受付、ナースステーションまで入ってきて下さい、と言われる。
私達は病棟の廊下を歩いて、ナースステーションまで行かねばならない。
この病院は、建て増しや改築を何度か行っている事もあり、病棟もちょっと複雑な構造になっている。
そしてとどめには、コロナの黎明期、専門医としてテレビ出演し、様々な情報を私達に提供してくれていた、とある先生のお膝元の病院なのだ。
早速カミサンがケアマネに連絡すると、「あそこは厳しいはずなのにですよね…」という返事があったという。実際に私はこのように何カ所かの病院の対策を見てきているが、やはり病院毎に少しずつ対応は違う。
身体が大きいこと、必要以上に人の手を借りなければならないこと、透析を開始したこと、などなど、普通の患者に比べれば、それは感染のリスクは高い。陽性になってしまったものは仕方ないので、大変なのは重々わかっているが、何とか病院さんと本人に頑張ってもらうしかない。
「現在の病状は発熱だけです。次のリハビリの病院への転院は、少し遅くなります」とも言っていたそうだが、そもそも回復しなければ次はない。
あと、驚いたことには、陽性の連絡があったその日の夜に、保健所からも連絡があった。何日か分の医療費は、公費で賄われるとの連絡だった。カミサンの友人が感染してしまった際、何度電話しても全く繋がらなかった保健所から、こんな形で連絡が来たことに「どこまでもこの人は優遇されているんだろう…」と、カミサンは驚いていた。
推測だが、病院からのデータは最優先で扱うように、保健所の仕組みができているのだろう。こんな所にも、行政の歪みを垣間見たような気がした。
年末まで、こんな風に文句たらたらの自分達が不甲斐ないが、これもご時世ということで仕方がない。
来年はもっともっと、楽しくて明るくて面白くてためになる話題を書いていけるといいなと思っている。