父のデイサービス初日

 今日は400キロ離れて住む父のデイサービスの初日。

 昨日の朝は、死にそうな声で「日にち間違えちゃったよ」なんて電話してきたのだが、果たして初デイサービスはいかに。

 待っていた訳ではないけれど、やっぱり電話がかかってきた。

「体調が悪い。ふらふらしていけない。姉からの電話を求む。救急車を…」

 何だ何だ、せっかく楽しみにしていたデイサービスなのに、体調が悪くて行けないなんてもったいない。いつもの仮病だろうと思うも、内心はちょっと心配。最後の救急車なんて、いつものハッタリ大袈裟くんだろうとは思うけど。

 早速姉に電話。しかし通じない。

 そうか、昨日のメールで、明日はデイサービスの初日だから朝は父の所に行く、父には言わないでおいて、って言ってたっけ。

 姉はきっとバスの中で、マナーモードなのだろう。

 音沙汰のない時間が過ぎていく。

 さすがの私も、運転しながら変なことを考え始めてしまう。

 救急車に乗って入院になったらどうしよう。いや、入院が一番楽なんだよな。でも、お金ないぞ。家のお金がどこにあるのか、今から聞いておかなければな。父も母も施設に入るようになったら大変だよな。しかし、冷静になって見てみると、老健施設は結構するよな。いや、父は足が丈夫だから、自宅にいてもらおう… せっかくカメラつけるんだからな…

 しばらくすると、姉から電話がかかってきた。

「無理やり車に押し込んで載せて、お姉さんに連れて行ってもらったよ」

 今の父の状況を誰よりも知っている姉。父は起きてすぐには調子が出ないようだが、これは単なる老衰現象で、救急車なんてレベルではなく、連れて行って大丈夫だと判断したようだ。

 数十分後も施設に確認してくれて、元気そうにしている、とのことだった。

 でも、血圧を測ると160あって、楽しみにしていたお風呂は血圧が150以下でなければ入ることができないらしく、今日はお預けらしい。

 聞けば、処方されている血圧の薬を飲んでいないようなのだ。これでは自業自得だろう。

 金曜日にはヘルパーさんも来てくれる事になっている。

 義父の時には訪問看護が来ていたので、看護師さんが薬を分けてくれていた。

 今回の実父はヘルパーさんになるようだが、薬の仕分けなんかもお願いできるのだろうか。

 施設に入っている母よりも、やはり当初の予想通り、自宅にいる要支援1の父の方が厄介なような気がしている。

 来週の月曜日は、カメラを設置に行く予定。

 5月は、半額の新幹線チケットが発売されるようだ。

 何だかな、もっと楽しいことないかなぁ、なんて思いつつ、これも宿命なのだと自分に言い聞かせて、これからも適当に生きていこうと思う。