mouth

 先日、再び前歯が欠けてしまったので、歯医者に行って直してもらった。

 保証制度が適用になったのか、自己負担が殆ど必要なく、この点では助かった。

 今回の前歯の欠け、は、就寝中に起こったようで、朝起きると前歯が欠けており、口の中に欠けた樹脂部分が残っていた。

 以前歯医者に行った時に、歯ぎしりが酷いようなので、マウスピースなどをご検討されるといいかもしれませんね、と、歯科衛生士さんからアドバイスがあった。

 うちで作ると1万円くらいしてしまいますが、しっかりとしたものができますよ、とも言われたが、これはすぐには必要ないと思って、作ってもらうことはしなかった。

 でも気になったのでAmazonで探し、簡易な、奥歯の1.5本位の感じを噛み合わせる物を買って持っているのだが、やはり簡易は簡易であってしっくり来るものではなく、殆ど使わずに放置してあった。

 今回、おそらく夜中の歯ぎしり時に前歯に負担がかかり、せっかく詰めてもらったものが取れてしまったことから、対策として、もう少しいい感じの、しかも安いものはないかなと、探してみた。

 何度もじじいみたいにじじいだから言うけれど、本当に今の世の中は便利になった。ちょっと検索すると、Amazonにいろいろな物が出てきて、レビューなどを見れば、それがどんなものなのかが大抵はわかるようになっている。

 今回もこのジャンルで、安くてよさそうな商品を見つけた。

 どうやら、マウスピースの型を取る前の物が販売されていて、これをお湯であたためて、自分の口の中に入れて整形し、水で冷やすと、自分の口の形のマウスピースができあがるらしい。

 レビューがすこぶる良かったので、これを早速注文した。

 大小二つずつ、四つ入っているが、私たち日本人は小で十分だ。早速お湯を沸かし、いつもコーヒーのお湯の温度を測る食品用の温度計で、指定の70度のお湯を作り、その中に30秒入れて、その後菜箸で取り出す。

 水分を切って冷まして口の中に入れて、センターを合わせてから噛んだり押したりして整形し、取り出して水の中に入れると、あら不思議、自分の歯の形のマウスピースが、いとも簡単にできあがった。

 これは安くて、とてもいい。

 数日前から就寝時にはめているが、始めに買った簡易的な物とは違って自分の歯にきちんとくっついているので、夜の間に外れることもない。

 朝起きて洗浄したりするのが面倒ではあるけれど、こればかりは仕方ない。そのうちに慣れて面倒くさくもなくなるだろう。

 ということで、今回はとてもいい買い物ができた。もちろん大陸製品だけれど、きちんと日本向けに一生懸命やっている姿が商品からも見て取れるので、好感が持てる。

 これを日本で全て作り、メイドインジャパンで販売すれば、やはり一万円前後の商品になってしまうだろう。

 私たちの生活はもう、大陸の製品がなければ成立しない現実を突きつけられた感じがする。

 安くて上がらない賃金、高い物価とガソリン、負担が高くて無駄遣いの多い保険と年金と税金、少子高齢化の特効薬的対策なし、大きく世代に偏ったサポート、などなど、日本は暗い現実に暗い話題が多い。

 これに加えて、毎年必ずどこかで起こってしまう自然災害と、汚染水問題が拍車をかける。

 安くて満足の行くマウスピースを手に入れて喜んでこれを書き始めたのだけれど、またまたこんな終わり方になってしまうのが、悲しいというか情けないというか悔しいというか、なのである。

 がんばれニッポン、と、今回ばかりは綺麗事で片付けることのできない危機感がある。

 私は政治家でも評論家でもない一個人だけれど、敢えて言わせていただけるなら、もう死を待つばかりの、要介護5の寝たきりの義父のような老人のサポートに、税金から月に100万以上ものお金が投入されている現実を知って欲しい。できるならそれをやめて、もっともっと、例えばこれからの人たち、子供達の医療に対して向けるなどというような、建設的な部分に使っていただきたいのである。

 今回のマウスピースがとても良かったので、ご紹介させていただいたのですが、またまたこんな話になってしまって、申し訳ございません。