団地にカメラを取り付けた日 〜父の見守りと、思わぬ自治会トラブル〜

 一昨日は東京の実家へ行き、みまもりカメラを取り付けて来た。

 各部屋のものは、配線を繋いで置くだけなので問題なかったのだが、玄関先の設置に苦労した。

 モルタルの壁に穴をあけるために電動のドリルを持参した。穴の位置を決めて、ドリルを回すのだが、なかなか穴があいてくれない。

 意地になって押しつける力を強めてやってみるが、刃が折れそうで怖い。

 そうこうしているうちに、やはり刃が折れてしまって万事休すかと思いきや、ここはやはりの私、MonotaROで買い込み、その時は使わなかったものの、今回、もしやと思って持ってきた刃がピッタリで、これをドリルに装着して試してみると、上手く行った。

 かれこれ、30分以上は大きな音を出してドリルを回していたかもしれない。

 部屋で姉と父と食事をしていると、地元の電話番号から電話。

 姉が出るもよくわからず、父に代わると、どうやら私の先ほどまでの作業に対して何かを言われているような受け答えだったので、私に代わった。

 電話は団地の中の自治会長から。先ほどの音は何だったのか、作業によってはリフォームの申請が必要だが、どうなっているのか、苦情が寄せられているので、作業の内容を教えて欲しい、とのこと。

 私は、父が要支援1になり、認知症の気が出てきて、家の中に人がいるなどと言い出すことが多くなったため、家族としてのみまもりの意味で家の各所にみまもりカメラを設置していました。玄関先のカメラ設置の際にドリルによる作業が必要で、あのような状況になってしまいました。集合住宅であることを忘れていまして、申し訳ございません、と、自治会長に伝えた。

 自治会長は、それはリフォーム申請の該当ではありませんので大丈夫です。何だったのかがわかればいいんです。中には細かい人もいますので、今後はご配慮いただけると助かります。今回も、上の階と下の階の方にはお伝えした方がよかったかもしれませんね、と、丁寧に自治会長としての立場から、私に指摘をしてくれた。

 父もかつては自治会長をしていた時があり、この人を知っているらしい。

 自治会長は心配して、お父さんはどうなんですか?と聞いてくれたので、認知症が少し進んでいるようですが、日常生活は何とか一人で大丈夫です。今後ともよろしくお願いいたします、と伝えた。

 私が今住んでいる仙台のカミサンの実家は、袋小路の先っぽにあり、突き当たりは会社、裏は畑、隣は不在、という、恵まれた環境にある。おそらく、ドラムの練習をしたって、苦情が来ることはないだろう。

 こんな所でぬくぬくと数十年暮らしてきたので、すっかり東京の団地住まいの心構えを忘れていた。わかっていれば挨拶などに行ったのだけれど、時既に遅しだったので、これからは気を付けようと思う。

 カメラは無事に設置完了し、父の生活の様子を見守ることができるようになった。父にも許可を取ってあるので、これからは見まもりを続けて行こうと思っている。

 介護の形にもいろいろある。

 これから先、みなさまも通る道かもしれない。

 なかなか大変なことになりそうな、今後の日本だと思う。