オスプレイが屋久島沖に墜落した。

 あの辺りは、かつて私がとびうお漁師をしていた頃、とびうお漁をしていた海域。

 米軍が来て、捜索に出るため、船外機付きのボートを発着させたり、回収した部品を引き揚げたりしているのは、屋久島の東側に位置する安房港だと思う。

 かつてはここに、昔お世話になった重丸が引き上げられ、ペンキ塗りなどをした事もある場所だ。

 昨日で屋久島が世界自然遺産に登録されてから30年なのだそう。もうそんなになるかという感じがする。

 私が田舎暮らしの本から屋久島に興味を持ち、実際に訪れた時に、不動産会社、屋久島パインの担当さんから「数年の内に世界自然遺産に登録される予定ですよ」と言われた。

 実際に土地に案内され、「この土地は私どもが開拓したもので、お住まいになるのがまだ先でも、買い求めておけば投資としてもいいですよね」などとも言われた。

 土地の購入にあたっては、この、投資にもいい、という文句が、それなりに効いていたと思う。

 しかし実際は、そんなに甘い物ではなかった。

 先日のテレビを見ていると、屋久島も一時の爆発的な縄文杉人気は影を潜め、観光客の誘致に四苦八苦しているようだ。

 私の土地も、仮に売ろうとしても二束三文で叩かれてしまう感じで、「投資」としての価値は全くといっていいほどない。

 まあ仕方がない。

 実際に屋久島に住んでいたのは、2年程度だと思うけれど、屋久島での生活は私の人生の中でかけがえのないものとなっている。決してお金では買えないものだ。

 温暖化などもあり、漁はいろいろと難しい状況が続いていると思う。

 観光客も減り、かつての賑わいもなくなってしまったのかもしれない。

 でも、屋久島がすばらしいところである事には変わりはない。

 これからも、元住人として、見守って行きたいと思う。