歯医者

 少し前から、歯医者に通うようになった。

 今まではお金がないのと、その気にならなかったのと、マスク着用なので歯はどうでもいいだろうという思いと、などがあり、歯医者通いの必要性を少しは認識してはいたものの、実行に移すことはなかった。定期的に検診をする習慣もなかった。

 きっかけは、カミサンの歯痛がひどく、我慢できなくなり、彼女が通いはじめたことだった。部分入れ歯を作り、調子よく噛めるようになり、今までひどかった耳鳴りも改善してきたので、あなたも行きなさいよ、お金出しますから、ということになった。

 以前は仕事が終わってから、夜の6時半に予約を取って行っていたが、今回は毎週土曜日に行くことにした。

 実は半年くらい前に、神経を抜いた方の前歯が三分の一位欠けてしまい、かなりひどい形相になっていた。コロナでマスクをしているからいいだろうと、放置していたのだが、マスクも解禁されてきて、さすがにこれはみっともないなと思っていた矢先だった。

 この前歯の治療、修理は、さすが歯医者さん、一日で完成した。専用の樹脂で紫外線を当てると固まるようで、そこから形を修正して、完成した。こんなに簡単に直るのならもっと早く来ていればよかったと思った。

 何度も昔から書いているかもしれないが、私はかなり長い時間、歯を磨く。それも、固い歯ブラシで磨く。中学一年生の時に地元の駅前の歯医者さんが教室にやってきて、歯磨きの指導をしてくれたのだが、その歯医者さんが教えてくれた通りに、今でも磨いている。長いと10分も15分も磨いている。今はあるかどうか、ペリオという歯ブラシのHというのを長年愛用していた。

 歯医者さんに行くと、そこの治療以外に、歯茎の点検とか、磨き方の指導とか、いろいろな事が行われる。歯磨きは問題なかったが、やはり歯茎が中で膿んでいるようで、白く変色している箇所があった。左の上のあたりである。

 ここは少し前にかなり痛くなって、どうしようかと悩んでいたのだけれど、放置しておいたら自然と痛みがなくなったので、そのままになっている所。今は噛めるには噛めるのだけれど、やっぱり少し違和感がある。

 レントゲンを撮り、状況を説明してもらい、納得した。やはりかつて治療した歯の根っこが悪さをして、膿んでいるのだろうということだった。あまりひどくなるようなら抜歯ですね、ということで、とりあえずは様子見で治療は行わないようだ。

 前歯の他には、右の上の歯を前回抜歯しており、そのままになっているので、ここにブリッジと呼ばれる方法で、歯を入れるかどうか、考えてみて下さい、と言われた。ブリッジができるならした方がいいと、カミサンに言われたので、ここを次回、お願いしようと思っている。

 家から徒歩10分、ちょうどいい所に歯医者さんがあって助かっている。ちなみに義父は歯医者が嫌いで、金はあったのに、歯がボロボロ抜けてそのまま放置しており、かなりみっともなかった。実家の両親は、40代から総入れ歯だと言っている。私は歯医者は好きで、いつの時代にもその場所場所で歯医者を見つけてはよく通っている。

 しかし、もう少しで還暦にもなろうというのに、人間の歯もよくできているものである。前歯は少し自信がないけれど、大抵の物は今でも自分の歯でかみ砕くことができる。

 がんばって、これからも歯医者に通おうと思う。