カミサンが韓国の男性グループのCDを、韓国の通販で買った。
そのCDにはおまけで、指定することのできないメンバーのカードが二枚入っている。
カミサンが好きな子は8人いるメンバーの中で、三番目くらいの人気らしい。
そして、同封されていたカードは、二枚とも一番人気の子のものだった。
かつてはカミサンも、あの面倒くさいヤフオクをやっていたが、しばらくの間は全く興味を示さないでいた。スマホになってからはよくわからない、匿名配送のやり方がわからない、と、よく言っていた。
しかし、やはりこのカードは人気があるようで、カミサンも、いよいよあたしもフリマデビューしようかしらね、と、カードを眺めながら言っていた。
CDは1500円だったのに、この一番人気の子のカードのセットだと、それなりに値段が付いているらしいのだ。
私はフリマはメルカリしか見たことがないのだが、カミサンはいつも決済で使っているペイペイフリマが好きなようで、こちらに出品しようかと言っている。
昔に比べると隔世の感があるので、是非ともやってみたらいいよ、と言うと、早速アカウントの名前を編集したり、写真を撮影したりして、出品作業がはじまった。
上手く行けば新着に乗って瞬殺だろうなと思いながら、私は二回の自分の部屋に戻って、仕事をはじめた。
すぐにカミサンが来て、報告をはじめた。
出品したら一瞬で売れた。2700円だった。
「こんばんわ。お取り引きお願いします」って、向こうから返事が来た。
BTSから鞍替えした人みたい
お隣の福島県の人でうれしい
コンビニ発送は難しいの?
おまけをつけてあげようと思っている
梱包資材を買いに行かなきゃ
などなど、嬉しそうに、一気に報告があった。
韓国人気は肌で感じていたものの、やはりこのような個人的な取引は、スマホのフリマアプリの独壇場なのだろう。
メルカリだと、おまけ不要、なんて書いている人もいるけれど、やっぱり女性はおまけが好きなんだな、とも思った。
私は個人的には、送料が売る側持ちで、買う側が支払わなくていい仕組みが未だに腑に落ちないのだけれど、こうしてカミサンが喜んでいる姿を見ると、このシステムは私のように商売に使うものではなく、個人間の、それこそ「フリマ」に特化したシステムなのだ、ということがわかる。
その後カミサンは発送方法をYouTubeで予習し、行きつけのセリアで梱包資材を買いこんで、無事にセブンイレブンから発送ができたようだ。やはり彼女も昔のヤフオクの血が流れているのか、カード二枚の商品でも、梱包はしっかりとして上げたいのだろう。もちろんおまけもつけてあげたらしい。
「こんなのが印刷されちゃった… 」
カミサンが見せてくれた発送控えを見ると、商品名には K-POP と印刷されている。
「はは、出品カテゴリーから引っ張ってくるんだね。商品名、今はうるさいからな」
こうしてカミサンは、無事にフリマアプリデビューをすることができたのだった。