
父の物忘れが、少しずつ進行してしまっている。
普段生活している分にはそれほど感じることはないのだけれど、時々家の中に人が入ってきてテレビを見ている、などと言うようになってしまった。
この対策として、先日「みまもりカメラ」を設置したのだけれど、「俺たちが見ているけど、誰もいないよ」と言っても、あまり変わらない。
こんな事を言ってくる。普通の話の中でこんな風に言ってくるので、ちょっと怖い感じもする。例えば
「大谷翔平の試合を見るって言って、友達が5-6人、俺の部屋に入ってきて、テレビを見てるんだよ。俺は母さんの部屋にいるんだけど、俺の家だもんな、出て行ってくれ、って言ってもいいよな。な、いいよな、わかった、出ていってもらうように言おう」
「困ったよ。さだまさし が部屋に入ってきて、俺の部屋でテレビを見てるんだ。どうしよう。さだまさしだよ。テレビ消しちゃってもいいよな。わかった、テレビ消すよ」
こんな感じなのでる。いつもの電話の調子だと思いきや、突然このような事を言い始めるので、対応に苦慮している。
姉には、
「母さんの部屋に誰かが入ってきたんだよ。ちょっと怖いんだ。来てくれないか?」
というらしい。さすがに400キロ離れている私に「来てくれ」はないのだけれど、姉もこれには閉口しており、うつ状態に足を突っ込んでしまっている。
今週の土曜日にもの忘れ外来の予約を取ったので、姉と父とで外来に行ってもらう予定だ。姉よりも私の方が父とは直接話をしているので、どのような感じなのかを伝えるために、父の状況をA4の紙4枚にしたためて姉に郵送し、先生に診てもらうようにお願いした。今の私にできる精一杯の事である。
誰かが来たのなら、警察を呼べばいいじゃないか、と言っても、父は嫌がっている。
とうことで、話し合いの末、警備会社ALSOKさんのみまもりサポートを導入しようかと検討している。
行政にお願いしようにも、この種の状況に対応する仕組みは、まだ行政からは提供されていないので、仕方がない。
同時に、もの忘れ外来で脳の状況や体の状況を診察していただき、投薬を含めた適切な処置をしていただき、何とかこの先も一人で暮らして行って欲しいと願っている。
母は施設で落ち着いているが、資金面を心配し始めたようで、「家に帰らなきゃね」と言い始めているらしい。
実際問題、この状態の父と同居してしまえば、母は大きな負担を抱え込むことになってしまう。
私たち子どもとしては、母は特養へ、父は何とか一人で実家で、というシナリオを描いている。
難しい判断が続くけれど、姉と二人で何とか最善の道を考えたいと思う。