義父の最期と私たちの選択:葬儀から海洋散骨までの記録

 12月某日、義父が施設で息を引き取った。

 医者の死亡診断を待って、あらかじめ段取りしておいた葬儀会社に連絡。

 連絡から一時間もたたないうちに引き取りに来てくれ、遺体を搬出し、自宅近くの葬儀会社の安置所へ。

 私が会社から帰る道すがら、葬儀会社の担当者から、今安置所にいらっしゃいます。これからの段取りをしたいのですが、お電話よろしいでしょうか、と連絡。

 ちょうど帰り道だったので、電話では何だと5分程で安置所兼葬儀場兼葬儀会社事務所に到着し、葬儀の打ち合わせをする。

 カミサンの休みの日にちょうど火葬場の予約が取れた。私たちには子供もいないし、家族葬に決めていたので、どこにも連絡する必要はなかった。見積もりをもらい、葬儀当日の段取りをして帰ってきた。

 カミサンは、家に義父の遺骨を持ってきたくないという。これにはとても可愛そうな歴史があるので私もそれを理解し、海洋散骨をお願いすることにした。

 葬儀当日にゆうパックで遺骨を送ればいいとのこと。その前に支払いを済ませてくれと言うので支払いをし、オンラインの契約書を書き、これも段取りがついた。

 スムーズに送りたいとカミサンはAmazonで、遺骨送付用の段ボール一式を買った。価格は4000円と高い気もしたが、結果的にはこれがとても良い働きをしてくれることになる。

 昨日が葬儀だった。

 全ては順調に進み、彼は灰になって骨壺に収められ、ゆうパックで大阪にある海洋散骨の会社まで送付となった。遺骨は佐川急便やヤマト運輸では送ることができず、ゆうパックだけの取り扱いらしい。

 誰にも知られることなく、義父は海洋散骨を待つことになる。

 一息つき、私たち夫婦は、お互い一年で一番忙しい時期の仕事をこなしながら、ここまで何とかできた事をお互いに称えた。

 この後、とんでもない展開になろうとは、この時点では知る由もなかった。

 続く。