若く見える

「ひろしくん、もう慣れたかね?若いんだから頑張ってくれよな。Hさんはもう歳だからさ」
「ちょっと端末の操作がまだおぼつかないんですが、皆さんのおかげで何とかなってます。ありがあとうございます」

 先日一週間、いつもは入らないチームの仕事をさせてもらい、その中の一人の方にこんな言葉をかけていただいた。

 大型トレーラーで、高速道路を使わずに、ターミナル間の輸送を三回。300キロ以上走行し、最後に燃料を給油すると150リットルくらい入る。アドブルーという尿素もかなり減る。

 いつも一緒に仕事をしているHさんは73歳。3回やると身体がきついのか、過去に身体に不具合を生じたのか、2回で帰るらしい。私は3回を仰せつかった。事前に傭車先から「3回、大丈夫ですか?キツイなら2回にしますけど…」と、確認が入ったのだが、大丈夫ですと、3回の仕事を受けた。

 Hさんに聞いたところ、声をかけていただいた方は、今年還暦なのだそう。ということは、おそらく私とは、学年で一つしか違わない。

 TikTokの中で、53さいの女性がエプロンをしてピンクレディーの歌に合わせて踊っている動画がある。メイクをバッチリしているせいもあるのだろうが、とても50代には見えない若さで、はつらつとピンクレディーを踊っている。

 私も年齢よりも若く見てもらえることが多い。決してマウントを取っているのでも自慢しているのでもない。私は自分の年齢をわかっており、もう既にポンコツである。ハゲでもしわくちゃでも年齢相応でいいと思っているのだが、何故だか若く見られてしまう。

 よくテレビで、学校の校長先生が出てくるけれど、校長先生は私たちと同じくらいの歳のはずだ。

 でも、学校内に苦労が多いのか、それ程若く見える校長先生は少ない感じがする。

 また、先月高校卒業40周年の同窓会があったのだが、この歳になると、体型や髪型などもあるけれど、結構見た目が変わってしまい、一見では誰だかわからないという者も多い。でも、中には若く見える者もいる。

 私などは、特に気を付けていることもないのだが、しいて言えば、あまり食べ過ぎることなく、欲深くすることもなく、できるだけ平穏に毎日を暮らすことができるよう、心がけている。

 ただ、睡眠時間だけは、働き出した頃からショートスリーパー気味なので、これがこの先病気に繋がらないかなどと、心配することもある。ちなみに毎日の睡眠時間は4時間弱位。カミサンと同じくらいの時間に寝て、彼女よりも4時間早く起きている。

 毎度毎度だけれど、この先どのくらいこうして生活することができるのかを考えてしまうと、本当に不安になってしまう。

 健康で若く見えるのは、いいことに違いない。

 この先も、それなりにキープできればいいなと思っている。