高齢者の携帯電話料金が高い理由

 義父の口座から、「ドコモケイタイ」の名目で毎月25,000円ほど、引き落としがある。
 私たち夫婦は同じ家に住んでおり、スマホを2台、家電とWi-fiのドコモ光を別に契約しているが、毎月の電話代は全て合わせても2万円弱である。

 これから老人ホームに入る予定の義父には、お金を節約してもらわねばならない。

 今までは垂れ流しにしていたこのような継続課金を見直さなければ、老人ホーム代も出ない。彼は腹膜透析をするようになるので、なおさらだ。

 電話で問い合わせること2回、ドコモショップへ予約を取った上で来店すること2回目で、ようやく何とか全貌がわかり、手続きの段取りがついた。一部は手続きが完了した。

 義父はそれなりの年だが、インターネット関係にはそこそこの興味があり、惜しげもなく金を使っていた。スマホが流行りだしてすぐ、ドコモショップに行ってスマホに替えたようだ。

 その際の契約である、何とかパックを解約しようとしたのだが、これでかなり手こずった。死亡していれば全解約で簡単なのだけれど、まだ生きていて、書くこともままならないのだが、電話は必要、という感じにしたいとなると、かなり面倒臭いのだ。

 手続きの委任状が必要になるのだが、義父の状態を話して私が義父の名前を書いて行ったところ、却下された。義父の病状を証明する、診断書か身体障害者手帳と、義父のマイナンバーカードと、手続きをする私の運転免許証を添え、言われた通りの文言を委任状に書く必要があった。

 家に帰って持ってくるからと言っても、予約がいっぱいですので、申し訳ないですがもう一度予約を取っていらして下さい、と言われた。かなり厳しい。

 そして昨日、2回目のドコモショップに出かけた。この、ドコモの他人の何とかパックを解約するのは、とても面倒だった。

 義父はNTTのフレッツ光からドコモ光に変えている。それなのに、NTTから毎月数千円の引き落としがある。これはNTTに言って手続きする必要があるらしいのだが、面倒臭い事に変わりはない。本人確認がどのようにされるのか、代理の私でもできるのか、その辺りは聞いてみなければわからないが、ドコモよりは緩そうな感じはしている。

 また、義父はWOW WOWにも加入しており、これも毎月3千円と少し、引き落とされている。これはNTTファイナンスだか何だかの管轄で、これも解約せねばならない。

 あとは、24時間、何とかサポートとかいう名目で、月々3千円ほどの引き落としと、今思い出そうとしても思い出せない、何とかいう継続課金が千円ほどあった。これも解約しなければならない。

 この内容を調べるまでが、とても大変だった。

 義父のスマホを預かり、義父のスマホのマイドコモから、Webビリングというおまとめ請求の内容を参照することで、ようやく内容を明らかにすることができた。また、ネットワーク暗証番号がなければ、何も手続きができない。これは、義父の場合、GoogleCromeが覚えていたし、おそらくの番号はわかっていたので、大丈夫だったのだが、ネットの右も左もわからない人だったとすると、この時点でアウトになってしまうだろう。

 とにもかくにも、試行錯誤と挑戦を繰り返すことで、ようやく義父の電話代の引き落としが、月々25,000円から3000円弱程度になる目処がついたのである。

 私もカミサンも、このような慣れない手続きをすることで疲れ果ててしまった。

 こんな事を何も知らない義父は、今日も病院のベッドの上にいる。

 私たちがいるからいいものの、いなかったら余計なお金をひたすら払い続けなければならないところだった。

 それにしても、NTTやDocomoのやり方というか、仕組みというか、継続課金の内容というかは、かなり酷いものがあると感じている。義父は今まで、数百万円の単位で、必要のない料金を払ってきている。

 高齢者の携帯代がとんでもなく高い理由はここにあったのである。