魚べいという回転しないお寿司屋さんに行った。
スシローなどの事件があったのと、コロナ禍もあってか、非接触が徹底されている。
受付ではタッチパネルに入力すると紙が出てきて、紙に書いてある番号の席に座ればいい。
回転しないお寿司屋さんは高いイメージがあるけれど、魚べいは一皿110円のメニューがまだ沢山ある、庶民的な価格で勝負している、お寿司屋さんだ。
注文はこれまた席に備え付けられているタブレットからで、頼むと上、中、下、と、三段あるレーンのどこからか、新幹線や宇宙船やフォーミュラーカーがデザインされた乗り物に乗って、注文した寿司がやってくる。
googleの口コミを見てみると、バイトの動きがどうのとか、片付けがされていないとか、ネタが写真と違うとか、いろいろと叩かれていたけれど、これらは開店直後のもののようだった。
私たちが行った時は、食べ終わったお皿を何度も片付けに来てくれたし、お姉さんはマクドナルド仕込みなのか愛想がとても良くて気持ちよく食べることができたし、ネタもシャリも合格レベルというよりも、今まで食べたチェーン店のお寿司屋さんの中でもトップレベルの美味しさだった。
中でもアジのにぎりは特筆物で、これは本当に注文が来てから作っているような感じの食感だった。脂も乗っており、冷凍物を解凍したようなぎこちなさもなく、とても美味しく食べることができた。
一応その昔は屋久島でとびうおの漁師をしていたので、船の上で新鮮な白身の魚を刺身にして飽きるほど食べたという経験がある。白身魚の新鮮な刺身とはどのようなものかということは、グルメさんたちよりも身体でわかっているつもりだ。
お店の名前は魚べいだが、この「べい」は、米、すなわちお米、ご飯、シャリを意味しているらしい。このシャリもほのかに暖かく、機械で握った物なのだろうけれど、ほどよくお酢がきいており、とても美味しかった。
開店から一年以上が経過しているようだったが、人手不足なのか、アルバイトを盛大に募集していた。一般は時給1000円、高校生は950円とのこと。ちなみに数十年前の私の高校生、デニーズ時代は、一年やっても550円で、カミサンの某スーパーは、15年以上勤めている「おつぼね」レベルでも、850円である。私も今の運転の仕事を辞めて、ここで働いたらどうなるかと、ちょっと考えてしまったけれど、フルに20日入れたとしても税込み16万円なら、やっぱり今の運転の仕事の方が効率がいいな、なんて考えてみたりもした。
我が家の近くには、回る回らない、高級、庶民的、と、一通りのお寿司屋さんがある。私たちの住むこの地域は漁港があることから魚も有名なので、老舗のブランド化されている所もあり、塩竃あたりに行くと、とんでもない価格の寿司もある。
でも、私たちはこの「魚べい」で満足である。
お腹いっぱい食べても、私とカミサンと二人で5000円ほどだった。
昨日は、カミサンのボーナスが出たとのことで、ごちそうしてもらった。
時々、こんな風に楽しいことがあると、人生はとても豊かで楽しいものになるな、と、健康でいられることに感謝し、これからも何とか頑張って生きていこうと、思いを新たにする事ができたのである。