愛車ランクルのクラッチを整備した。
レリーズシリンダーという部品を入手し取り替えた。
これでばっちりと思いきや、何だか調子が戻らない。
クラッチがうまく切れなくてレリーズを取り替えたはずなのに、症状は劇的には改善していない。
おかしいな、と思いながらも、あれこれと考えてみる。
もしかするとボンネット内に付いているマスターシリンダーなのかな、とも思ったが、ここは恐らく長期放置などしていなければ壊れないはず。(と勝手に思いこんでいる)
翌日、翌々日にセルフでのエア抜きをしてみても、症状は変わらない。
あれこれ考えた結果はこんな感じ。
今まではフルードを完全に抜かずに、新しいフルードを押し込むような形でクラッチ配管内のフルードを取り替えていたので、エアーが殆ど噛むことはなかった。
今回、レリーズシリンダーを取り替えたことで、おそらくボンネット内にあるマスターシリンダーにエアが入り、それが抜けなくなっているのではないか?
という推測を立て、マスターシリンダーの付け根からエアを抜こうと考えたのだが、このネジはおそらく製造当時から触っていないので、錆で固着してしまっている。
ラスペネという高性能の浸透劑でもどうにもならず、作戦を考えることに。
ネットで調べてみると、マスターをいじらずに、下のレリーズシリンダーからシリンジ、注射器を使ってブレーキオイルを「押し込んで」やると抜けやすい、という解説を発見。
すかさずAmazonで大きめの注射器を購入しその日に届いたのだが、雨で作業ができず。
その他にもいろいろと検索すると、いろいろな人がいろいろな事を言っている。
そんな中で、マスターシリンダーから抜くと簡単だ、という記事に信頼を寄せる。しかし、このネジが錆びてどうにもならないのだ。
マスターのネジさえ緩めば何とかなるかもとの路線に変更し、錆びたネジを緩める方法を模索する。
はじめの方でも言ったようにラスペネを吹くだけではどうにもならない。プラスチックのタンクがあるのでバーナーで炙るのはまずい。叩く、というのは良さそうだったので、それ用に小さなハンマーを購入。
何度も出てくる「ラスペネ」という浸透劑は、性能はいいのだがとんでもなく高い。みんな同じ事を考えているようで、ラスペネ代替品 というように検索すると、いくつか製品が出てきた。
その中で良さげな物を2つ購入。一つは錆が取れるジェル、そしてもう一つが、呉から発売されている、凍結浸透ルブ、という商品。
凍結浸透ルブの方は「固着したネジをなめずにはずす!」がキャッチコピーで何だか期待できそうな感じ。ジェルの方は納期がかなりかかるのと、ちょっと違う感じもしてそれなりの値段。
金曜日、勤務後に時間があったので、前日に届いた呉工業の凍結浸透ルブを試してみた。動かずに一度なめかけたマスターのネジに吹き、しばらくおいてから祈る気持ちでラスペネを浸透させる。到着している小さなハンマーで何度か叩き、これまた祈る気持ちで買い揃えたKTCの8mm/10mmのスパナで力を加えてみる。前回なめ損ねたので、あまり力を入れるのはやめようと思いながらスパナに手をかける。
と、奇跡が起こった。
少しの力で、ネジが回った。
今まで強引に力を入れて、何本のボルトをねじ切ってきたことか。
取り付けに使用されている12mmのボルトにも同様の処置を施し、これらは均一に力がかかるようソケットで回してみると、3つとも同様に回った。
実はどうにもならなかったら、10月の車検時にマスターの取り替えをお世話になっている工場に頼もうと思っていた。しかしこれは、ネジを緩める自信がなかったから。
ネジが緩んだという事で、これはもう何だかんだするよりも、自分でマスターを取り替えた方が精神衛生上もよろしいのではないかと思うようになった。
そして今日、クラッチのマスターシリンダーを無事に取り替えることができた。
しかしこれ、マスターもレリーズも新品なのに、なかなかエアが抜けない。
試しにシリンジでレリーズから押し入れてみたのだが、まだエアは残っている。ブレーキフルードも勿体ないので、今度はシリンジでレリーズから引っ張ってみると、ちょろちょろと抜けていくのがホース越しに見える。
しかしこれが、いつまでも続く。ほんと、いつまでも…
上のマスターからも抜いて、下のレリーズから抜いてを何度も、おそらく10回位やっただろうか、完全には抜けきらないような感じだったので、妥協できる感じになったところでやめて、今回の整備は終了となった。
突然のクラッチ不調は何が原因だったのだろうか。(症状:クラッチが何度も踏まないと切れなくなる。おそらくエアの混入)
マスターもレリーズも、いつか使うかなと思い、揃えておいた部品達。こんなに早く使うことになるとは思わなかった。
古い部品はそれぞれ綺麗にして、グリスやら浸透剤やらで錆からの保護膜を作って、大事に取っておくことにしよう。
最近では面白いこともないな、なんて思うことが多かったが、実はこんなことをするのが、楽しみなのかもしれない。





