確か3月だったか、特養に入っている母に対して、担当医から「間もなく看取りの時期になりますのでご準備を」というような事を言われた。
姉と私は心の準備をするとともに、葬儀や墓、そして母の遺産の分配手続きなどについて確認を進めた。
特養からその事を言われた時は、私も東京まで行き、姉と一緒に話を聞いた。
その際、確か看取りが間もなくということもあるので、面会は連絡をしなくてもいいのでいらして下さい、という感じで言われたように記憶している。実際にその後何度か面会に行った姉は、普通の電話やLINEで面会予約をしてからの面会ではなく、間もなく看取りモードで、当日の連絡で面会をしていたように思う。
今日、姉から連絡があった。姉は実家の隣町に住んでいることもあり、頻繁に面会に行って母と話をしてきてくれている。ここ最近では、今までは手を出さなかったお菓子にも手を出すようになったとか、父の悪口で盛り上がったよ、などと言っていたので、私も安心していた所だった。ただ、首が安定しなくなってきたのか、車いすが首の所まであるものに変わった、と言っていた。
いつもの通り看取りモードで、当日の連絡で面会に行ったところ、係の方から、あらかじめ連絡をもらえると助かります、というようなことを言われたのだという。
姉は心配になったのか、私に電話をしてきた。
協議の結果として、…ということは、母の状態が以前に比べるとよくなってきているのでこのような連絡になったのだろう、ということになった。実際に以前は見向きもしなかったお菓子に手を出したり、認知症はあるものの、姉の事はわかっているようで、母が好きだったスケートやオオタニサンの野球の話などをするようになってきたという状態の改善が見られている。以前は赤信号だった、水分の摂取状態や、食事の摂取も、改善されてきたのだという。
お医者さんとしても、以前の母の様子からなら、看取り準備をお願いする状態だったのだろう。しかし、人間は強い。そう簡単に命を落とす生き物ではないのだろう。かつて義父を担当していた医師が、おにぎり1個で6ヶ月生きた人がいましてね、なんて事を言っていたのを思い出す。
3月に看取り準備を宣言された時には、正直、働き始める4月までに… などという不謹慎なことを考えたこともある。身体が自由なら、職場に迷惑をかけることなく喪主としての役割を果たすことができるからだ。
ところがこうなると、やはり母がこうして長生きをしてくれていることはとても有り難いと思う。かつての職場は正社員ではなかったので、忌引きなどの適用は期待できず、休めば給料がもらえなかった。ところが今は違う。きちんと制度が整っており、もしかすると互助会という組織が助けてくれるかもしれないのである。
離れて暮らす父も母も、今は安定してくれているので私も助かっている。
ここまで頑張ってくれた分、特に苦労をしてきた母に関しては、残りの人生を楽しく幸せに暮らしてもらいたいと思う。





