ランクルヨンマルパワークラッチ

 今、かつてないほどに気持ちがいい。

 明日から仕事だから?のわけない。

 天気が良くなったから? も、少しはあるかな。

 昨日はランクルの車検に向けた整備をした。

 ジャッキアップして、冷却水を取り替えて、ブレーキフルードを取り替えて、下回りを塗装して、錆の酷いところを削ったりもして、ジャッキアップにしても私道のガレージがかなり斜めになっていたりして、ウマがかかってもジャッキが抜けないとかいろいろあって、結局一日かかってしまった。いつものことだ。

 そして昨日夜、左足の裏側の筋肉がつり、激しい痛みに襲われた。今日は一日のんびりと過ごす予定だった。

 しかし気になっていた事があった。ランクルのクラッチである。

 無意識のうちに昼前、ChatGPTさんに聞いてみると、やっぱりマスターとレリーズの間にあるパワークラッチというのが怪しいということになった。今日は整備をしないはずだったが、もしかすると、という思いがあり、午後からやってみた。

 ここははじめの頃に一度だけブリーダーを回した。少しだけフルードが出てきたが、あまりにも綺麗だったので、ここは違うんじゃないかなと勝手に思い込んで悩みの選択肢から外してしまっていた。それがいけなかった。

 食事前にパワークラッチから入る、出る、フレアナットに先日の薬剤を吹き付けて、午後から作業を開始した。

 冷静になって考えてみると、せっかくブリーダーがあるのに、ここを完全に調べないままフレアナットを調べるのはちょっと違う感じがした。ブリーダーのないマスターシリンダーならいざ知らず、せっかくブリーダーがあるのだから、これをまずは調べてみようということになった。これは私独自の判断だった。

 このブリーダーは上に向かって取り付けられているのと、ボンネットの中なので作業が容易で簡単にエアーの状況が確認できることが、セルフブリーディングにはよかった。

 もう百回近く行っただろうか、クラッチペダルを何度か踏み、踏みっぱなしの所で固定する。今回も45年ものの10キロダンベルの登場だ。

 ホース自体が上を向いているので、あまり作業も神経質にならなくていい。ブリーダーを回すと、エアが確認できた。

 同じ作業を何度か繰り返すと、結構なエアが抜けたのが目視で確認できた。直感的に、これはもしかするといけたかな、と思った。

 確認すると、これまでとは全く違う感じになっていた。

 直ったのだ。

 エンジンをかけない時のクラッチは、ちょっと重い。
 エンジンがかかっている時のクラッチはパワークラッチが効いて軽くなる。

 買った頃の状況はこのような感じだったのを思い出した。まさに今、その時と同じ状況が再現されたのである。

 ということで、エアかみ、の原因は、新品のレリーズシリンダーではなく、これまた新品のマスターシリンダーでもなく、その配管の間に標準で装備されている、パワークラッチだった。

 はじめからここだとわかっていれば、レリーズもマスターも取り替えなくてもよかったかもしれない。

 でもいい。今回もいろいろと勉強になり、また一つ、この車との距離が縮まった。

 運転席の下の後ろあたりにあるバキュームタンクと、そのエアを作っているだろう、特殊なオルタネーター、ダイナモ、発電機の働きも、これでやっと理解できた。大きなものを得ることができたと思っている。

 毎回思うことだけれど、このように車の調子が悪くなり、それが解決した時の喜びというのは、何にも代え難いものがある。一人で解決できた時のそれは、本当に生きていて良かったなどと思えるレベルのアドレナリンが放出されて、この上なく気持ちがいい。

 この魅力に取り付かれてしまうと、旧車沼にはまってしまい、私のようになってしまうので注意が必要だ。

 少し前に何もやりたくないと書いたけれど、今日はちょっと違う感じになっている。

 ほんとうに直ってよかった。

 この調子で、明日からまた元気にがんばろう。