昨年は面倒臭くなってしまって、一時中止していた家庭菜園を、今年は心を入れ替え、それなりにやっていた。

 接ぎ木のトマトを4本と、パプリカ、唐辛子、そして毛色の変わったところで、ブルーベリーなども植えてみた。
 
 当初、全てそれなりに育っていたのだが、途中から少しおかしくなってきた。

 トマトは元気に生育はするものの、途中から実をつけなくなってしまった。はじめから実をつけないのなら何かの病気なのだろうとも思うのだが、はじめは普通に実をつけていたものが、途中から殆ど実をつけなくなってしまったのである。

 パプリカも同様で、最初の数個は大きな物が収穫できて喜んでいたのだけれど、これもまた生育不要が発生し、実をつけるにはつけるのだけれど、うらなりのピーマンほどにしか育ってくれない。

 ブルーベリーに至っては、数十個のレベルで収穫はできたものの、途中から生育が悪くなり、枯れてしまった。

 そして、唯一調子がいいのが唐辛子で、これはかなり調子よく実をつけてくれている。韓国料理に目覚めた我が家にとって、これは成功である。

 土も悪くはないとは思うし、毎年同じようにやって実が付いているし、脇芽をきちんとかいて手入れもきちんとしているのに、どうしてなのだろうと思っていた。

 我が家の裏隣は農家の畑になっていて、ここには様々な作物が植えられており、私は時々、いつも手入れをしているおばあさんの動きなどを参考にさせてもらっている。

 そこでわかったことだけれど、なんとプロのこの畑でも、今シーズントマトは上手くできておらず、既に茶色くなってしまっている。

 やはり考えられる原因はただ一つ、この夏の猛暑なのだろう。

 カミサン曰く、今年は夏の真っ盛りでもスーパーにおけるトマトの販売数は驚くほど少なく、あったとしても、色や形の悪いものが多いという。

 今現在は、殆ど販売されていない。

 今年は格別に暑かったので、農作物全般が不作だった、ということならいいのだけれど、実は温暖化が考えられないほどのスピードで進んでいて、この天候が普通になってしまうのだとしたら大変だ。

 特に私の住んでいる東北地方は、今年の夏、例年よりもかなり暑く、数値を見る限りでは東京とあまり変わらないような気温になってしまった。

 日照りは強く、雨は降らず、気温は高く、涼しかった朝晩もエアコンなしでは生活できないような状況だった。

 果たしてこの先、どうなってしまうのだろう。

 韓国の果物農家は、「これから先は作る物を考えなければいけないだろう。来年からはマンゴーを作る」などと言っていたが、福島や山形の果樹王国にも少なからず影響はあるだろう。もちろん、これは日本全体に言えることである。

 長い歴史を持つこの地球、私たちの生きている一世代だけで、こんなに激しい変化が起こっている。何かの前触れでなければいいのだけれど、なんて、おかしな事も考えてしまう。

 人類は今現在、電気を使った最高の文化を構築し、医療を発展させ、その恩恵で豊かになったと思っているけれど、その裏で失っているものは計り知れないということを、認識しておいた方がいいと思う。

 たかがトマトの不作なのだが、実はその裏には、地球からのとんでもない警告が発せられているのだ、と、私は思っている。