月曜日は仕事がなく休みだった。12月というのに。

 先週の金曜日、仕事が早く終わって会社に帰って来ると、構内で社長とばったり会ってしまい、「タイヤ交換は終わった?」と、この時期お決まりの会話となった。

「今日はまるまるさんが予定していて、それから奈良に行くそうなので、そちら優先です。今度時間が空いたらやります」と答えた。

 大きな会社だと、オイル交換もタイヤ交換も整備部門がやってくれるとか、外注に出すとかになっていて、運転手はそのあたりの整備はしなくていい、ということになっているだろう。

 しかし我が社はバリバリの中小企業。オイルもタイヤも運転手が行わなければならない。重量物運搬が専門なので、タイヤのパンクなどはしょっちゅうで、そうなってしまった場合はその都度帰庫すると運転手が取り換えたり修理したりしている。工場もあるのだけれど、昔からオイルとタイヤには、工場は手を出さない決まりになっている。

 ということで、これができなければ、この会社で運転手としてやっていくことができない。

 私は地場の仕事なので、遠くへ行く人たちのトラック優先で、最後の方に取り換えればいいと思っていたのだが、それも限界のようで、そろそろということになってきた。

 月曜日は休みであるが仕方ない。でも、月曜日は大抵空いていて、タイヤピットには誰もいないだろうから、作業はやりやすいのだ。

 ピットの横にあるコンテナから新しいスタッドレスタイヤを取り出す。私のトラック、トレーラーのヘッドは6本。

 ごろごろ転がして、作業場まで持って行く。

 ジャッキアップして、タイヤを外して、専用の機械でタイヤを剥いて、新しいタイヤを取り付けて、空気を入れて、取り付ける。

 場面毎にコツがあり、初心者では引っかかって作業中断の要素が満載なのだけど、もうこの会社でも十年以上やっているので、作業はスムーズだ。

 一回だけ、機械に負担をかけてしまい、機械の安全装置が働いてブレーカーが落ちてしまったが、大丈夫だった。

 通常、きちんとやるなら、タイヤの黄色のマークと、ホイールの空気を入れるバルブの箇所を合わせなければならない。特に、前輪は黄色いマークがよく見えるので、合っていないとみっともない感じさえする。

 でも、最後はこれをやるのも面倒になってしまい、適当に組み付けた。というよりも、空気が入らなかったので、ビードを上げたら、位置合わせができなくなってしまった。

 左のタイヤは合っているけれど、右のタイヤは適当だ。まあいい。

 朝、明るくなって、7時過ぎから適当に休みながら作業し、10時半位に終わった。やはりそれなりに時間はかかる。急ぐとろくな事がないので、慌てずに確実に進むように作業を心がけた。

 みんなけっこう空気圧を高くしたがるが、私はトラックのドアの袖に書いてある通り、7kg で調整した。ボルトもインパクトレンチでガリガリ締める人がいるけれど、あまり締めすぎるとハブに負担がかかったり、パンク時に自分では緩まなかったりと、いいことがない。

 インパクトレンチの最低のモード 1 で軽く締めてから、最後にトルクレンチを使って、55に合わせて締めるようにしている。毎日きちんと点検すれば、これで大丈夫だ。

 ということで、今シーズンも懸案事項の、トラックのスタッドレスタイヤ交換が無事に終了した。今年はそこそこ上手くできたと思っている。

 運転手稼業はいつまでできるかわからないけれど、自分自身はオイルやタイヤを取り換えたりする作業が好きなので、何とかこの歳まで続けることができているのだと思う。

 昨日は自社の倉庫で働いている人と少し話をしたのだけれど、彼は53歳で結婚していて、宮城県の最低賃金しかもらっていないらしい。

 私は運転とそれにまつわる事が何とかできるので、日給だけど、とりあえず最低賃金以上はもらうことができている。

 何とかもう少し頑張れればなと思う。