入院を前にして感じた葛藤と家族への告知の難しさ

 いざ入院という身になってわかったことがある。

 他の人に、私、入院します、という告知は、なかなか難しいということ。

 会社を休む手前、まずは会社に言わなければならない。

 これは仕方ないので何ともない。

 一緒に住んでいる家族、私の場合はカミサンも同じだ。

 他に、仲のよい友人などにも知らせなければと思うけれど、よっぽど仲のよい友人でなければ言わないでいい、という感じになっている。

 具体的には、会社の同僚や一緒に仕事をしている人たちには、言っていない。

 あと、一番問題なのが、離れて住んでいる両親だ。

 入院などと言ってしまうと、心配するだろうと思い、未だに口に出すことができていない。

 それも、全身麻酔だとか、5泊6日だとか、顎の骨を削るとか、そんな事を言ったらなおさらだろう。

 近くになって、頃合いを見ながら言おうと思っているけれど、なかなかタイミングが掴めないでいる。

 さすがに夏も峠を超えたので、パジャマは長袖でいいだろうとか、入院時もこの日記を書こうとか、体力が落ちないように、病院内を時々歩こうとか、シャワーはどうなっているのかとか、既にいろいろなことを考えてしまっている。

 なるようにしかならないので、あまり考えても仕方ないのはわかっているけれど… である。

 うちの両親は、当たり前だけれど、今の私よりも30年余計に生きている。たいしたものだと思う。

 私なんか今回の入院騒動で、かなり精神的にもやられて、気持ちも身体も老け込んでしまった感が否めない。

 昨日も仕事中に電話に出るとオヤジからで、

「寒くなってきたけど、エアコンは冷房でいいのか、暖房にするのか」

 なんて事を聞いてきた。

 いつも通り適当に答えてあげると、安心して電話を切ったけれど、突然、全身麻酔で手術をするんだ、なんて言ったら、心配するだろう。

 まあ、仕方ない。

 こうなってしまったのだから、お医者さんの言うことを素直に聞いて、一番いい状況に持って行けるよう、最善の努力をするのみである。

 両親への告知は、やはりしなければならないだろうな。