慌てずに生きる:几帳面と適当の間で

 私の性格は、几帳面な面もある反面、かなり適当なところもある、カミサンに言わせれば典型的なO型だ。

 先日、運転の仕事で、とても危ない状況を発生させてしまった。

 幸い大事には至らなかったのだが、しばらくショック状態が続いて、これではいけないなと大いに反省した。

 状況を分析すると、私の性格がいけない、という事実が判明した。

 私は何かあると、すぐに慌ててしまう。これは無意識のうちに起こってしまうようで、知らず知らずのうちに慌てている。

 慌てているとどうなるかというと、脳みそがいつもの状態から、慌て状態に切り替わり、先を急ごうとしてしまう。

 この「慌て状態」が非常に危険なのである。

 先を急ごうとするあまり、いつも普通にやっている動作ができなかったり、忘れたりしてしまう。

 歳だ、とは言いたくないのはやまやまだけれど、それも少しはあるかもしれない。

 先日の体験から、自分で、何をするにも慌てないで、何が起こっても慌てないで、いつも落ち着いていようと心に決めて、実行している。

 これが結構、効果を発揮している。

 昨日は休みで歯医者に行ったのだが、少しみぞれが降っていたので、傘を持っていった。殆どさすことはなく、歯医者に到着し、出入り口の傘入れに傘を収納して、診察室に入った。おそらく忘れるだろうな、と思ったので、傘入れからわざとはみ出た所に置き、忘れないようにと対策をしてみた。

 治療が終わって診察室から出る際、私は何故だか先を急いでしまう。

「はい、今日はおしまいで~す」
「どうもありがとうございました」

 と、ごくごく普通に出てくるのだけれど、歯医者に通い始めた当初は、ここで慌ててしまい、メガネとマスクを2回、忘れかけたことがあった。

 何だか無意識のうちに、早く外に出なければならないと思ってしまうのだ。

 診察室に持って行った上着やカバンなどは、慌てた上に一括りにしてごっそりと持ち出し、そこで身につけることはない。

 昨日は気を付けるように注意していたので、さすがにメガネとマスクは忘れなかった。会計時も落ち着かずにそわそわしてしまうので、ここでも自分に言いきかせて、マイペースでお金を払い、診察券をしまい、領収書をカバンに入れるようにしてみた。

 そして出入り口。

 いつもは一刻も早く外に出なければと、無意識のうちに思っているのだと思う。昨日は気持ちを変えて、外を走っているトラックを何台か眺めて、気持ちを落ち着けてからから行動してみた。

 スリッパを脱いで、除菌の装置に戻し、自分が履いてきた靴に履き替えるだけなのだが、どういう訳なのか、早く外に出たい気持ちになってしまう。

 今回は、外に出ようと思ったところで一息ついてみると、ここで思い出した。そうそう、傘を持ってきたのだ。

 このように、気持ちを少し落ち着けると、気持ちに余裕が生まれて、行動にもいい影響があることがわかった。

 普段の生活にしてもそうで、例えば外から家に帰ると、一瞬でいろいろとやることが発生する。

 着替えて、自分の荷物を整理して、場合によっては洗濯物を片付けて、うがいをして、手を洗って、などなど。

 これらの事項が一気に発生すると、ちょっと大げさに言うなら、軽いパニック状態になってしまう感じがするのだ。

 あれとこれとを一緒に片付けようとするあまり、いくつもの事柄に手を出し、結局は結果を得ることができないというような状態に、私はよくなる。

 この状態を自分で認知したとき、はっと思った。

 私の今の自宅の仕事も、同じじゃないかと。

 あれとこれとを一緒に片付けようとするあまり、いくつもの事柄に手を出し、結局は結果を得ることができていないじゃないか。

 こんな所からもいろいろと考えながら、アラ還前の毎日を過ごしている。

 この先、少しは変わるといいなと思っている。