介護施設長

 義父がお世話になっている介護施設から手紙が届いた。

 何だろうと思って見てみると、義父の入居相談時にとてもよくしてもらった施設長(女性)が、施設長を退任するとの知らせだった。

 この介護施設は、我が家がお世話になったすぐあとに、名称を変更した。

 医療を得意とする、大きな組織と合併したような形だった。

 こちらの施設長は、合併する前の施設で、一生懸命に活躍されていたように見受けられた。

 想像の域を出ないが、やはり大きな組織との合併と言うことになると、いろいろとあるのだろう。

 メールでも書こうかなと思ったが、いただいている名刺のメールアドレスは合併する以前のものなので、おそらく使われていないことが想像される。

 辞める訳ではないのだとは思うけれど、さんざんお世話になったので、何とかお話をしたいなという気持ちになっている。

 私と妻は義父の入院時、彼の入所先を巡ってさんざん苦しめられてきた。

 腹膜透析をすることから、どうしても24時間の医療を提供している施設でなければならず、入ることのできる施設自体が限られていた。

 数カ所問い合わせをした中では、一件では断られ、一件では予算的に合わず、困り果てた末に辿り着いたのが、この施設長のいらっしゃる施設だった。

 結果的には病院と介護施設との癒着を、何とか自分達の力で崩した形になったのだが、こちらの施設長の笑顔に何度救われたことか。

 対応もとても丁寧で、また、私の悩みもいろいろと聞いて下さり、本当に感謝しかない。

 この方がいらっしゃらなかったなら、私たち夫婦は本当にどうなっていたかわからない。それこそこちらがうつ病になってしまい、人生を棒に振っていたかもしれない。

 今こうして振り返ってみると、私たち夫婦にとって、とても大事な人だった。

 メールは書けないけれど、今度の休みにでも電話をしてみようかなと思っている。

 日曜日は、入所相談で忙しいかもしれないな。

 事情はいろいろだろうけれど、何とか感謝の気持ちを伝えたいと思っている。