シエンタが欲しい

 何度か話したかもしれないけれど、新車が欲しいとカミサンが言っている。

 結婚して二人で実家暮らし、子供はおらず、二人で働いているのに、車が買えないのはおかしいと言う。確かにそうかもしれない。

 今までは私の収入が不安定だったためとか、様々な理由があって新車の購入など考える余地もなかったのだけれど、ここへきて、もしかすると買えるのかもしれないという状況になっている。

 今の仕事に就く前、銀行のマイカーローンのWeb審査をしてみたのだが、金利の低い銀行のローンは借りることができないと返事が来た。

 その際入力したのは、今現在は無職、これから働く予定、借り入れ金額250万、支払い回数10年、ボーナスなし、というような情報だった。昔車を販売していた身としては、こんなんで通るわけはないとわかっていた。

 銀行の低金利のローンが通らないからと、別の販売店に行ったものの、次の仕事内容なども不安定な事や、これだけの金額を借りるとなると、やはり金利が重要になってくる事などから、新車を購入することは引き延ばしになった。

 先月から働き始めて、給料も一度振り込まれて、仕事内容も何となくわかってきた。身体を壊さず人間関係も穏やかに勤めていれば、半年で契約を切られてしまうことはないという状況もわかった。上手くすれば、65とか、もう少し行けるかもしれないという感触がわかってきた。

 ここで再度、銀行のローンを見てみた。7月に車検を取ることは決めたので、今後の参考までにということで入力してみる。

 借入予定額250万、ボーナス併用、職業は臨時ではあるものの一応公務員で勤続1年、家はあって家族所有、居住歴は40年近く… などと入力すると、以前の結果とは違い、これが通るようなのだ。

 やはり大きいのは公務員であるということと、ボーナス併用で支払いが組めると言うことなのだろう。

 まだいくらもらえるのかもわからないけれど、ボーナスは臨時の職員でも支払われると聞いている。給料も、総合的に見てみるなら運送屋の時と同じくらいはある。交通費などもきちんと支払われている。

 やはりこの、公務員というのは、お金を借りるにあたって、大きなアドバンテージのようだ。

 しかし嬉しいと思う反面で、以前には考えられなかったような別の不安要素もなくはない。今はこうして無事に働くことができているものの、年齢的なものも考えるなら、身体がいつどうなってしまうかわからない。

 今の仕事は、身体がきちんと動いていなければ勤まらない。年寄りにありがちな、脚が痛い、腰が痛い、などという状況になってしまうと、毎日の仕事はできなくなる。

 また、高血圧や脂質異常などにも、十分に注意しなければならない。持病の腹痛は何とかなってはいるものの、脱腸のような症状があるので、これも心配の一つである。

 カミサンは、今の型のシエンタのハイブリッドがいいと好き勝手な事を言っている。もちろん彼女がメインで乗るようになるので、彼女にも支払いをしてもらうようになる。

 果たして一年後に、この車を買うことができるのかどうか、仮に買うことができたとしても、私は今まで全額ローンで車を買ったことがないので、ちょっと怖いのである。また、今まで書いてきたような年齢と身体の衰えの心配もある。

 年を取ると、こんな風に考え方も変わってきてしまうのだな、ということを身をもって感じている。

 東京トヨタに入った頃、見境もなくローンを組んで、何台も車を買い換えていたことが、今となっては信じられない。

 老いとはこういうものなのかもしれない。