昨日日曜日の夕方、カミサンと部屋でくつろぎの時間を過ごしていた。
いつもの癖でメールを見てみると、介護施設からの連絡が。
排泄交換時に毛布を汚染してしまったので、申し訳ないけれど、クリーニングをお願いしたい、とのこと。
毛布は、入居時に持って行ってある、義父が使っていたものだろう。オムツを交換する際に、汚物がついてしまったので、クリーニングをして欲しい、とのことなのだ。
さすがに介護サービスも、ここまでは手が回らないというのか、こんな事まではしてくれず、こうなってしまったら、家族に連絡するのが原則なのだろう。
クリーニングと言われて、まずはクリーニング屋に出す事を考えたが、毛布のクリーニングはそれなりに値段がする。カミサンは、「新しい毛布を買って持っていけば?」と言ったが、これだってお金がかかる。
私は本能的に、このような面倒くさい事は、すぐに片付けてしまいたいと思った。幸いにも日曜日の夕方なら、それほどに道も混んでいないだろうし、すぐに行こうと思った。とにかく物を回収して、考えるのはそれからだと考え、カミサンに打診した。
「え、今から行くの?」
かみさんは、予定外の事を突然言われると、とても嫌な顔をする。ましてや、犬猿の仲である父の事であるならなおさらだ。また、女性ならではの事情として、出かけるには化粧などの時間がそれなりにかかるので、それも面倒らしかった。
ということで、私が一人で介護施設に向かった。当初の予定では、毛布を回収して、家の近くのコインランドリーで洗濯をして、もう一度持っていこうと思っていた。
しかし、運転していると、これでは往復1時間以上の時間がもったいないと思い、介護施設の近くにコインランドリーがないかをスマホで探してみた。
幸いにも、今の時代、私が屋久島にいた時などとは違って、コインランドリーはあっちこっちの地域にある。2件見つかったので、毛布を回収後コインランドリーで洗濯して、再び施設に持っていけばいいや、という作戦に変更した。
日曜日の夕方、予想通り道は空いていて、予定時間通りに介護施設に到着。袋に入った毛布を回収し、コインランドリーに行き洗濯と乾燥。折り返しで介護施設まで持っていき、問題は解決した。
私は産まれてはじめて、現代的なコインランドリーに足を踏み入れた。お金を入れる所はあるものの、千円札を入れる所がなかった。洗濯と乾燥の機械が別々だったり、同時にできるものもあったり、システムを理解するのに、かなりの時間がかかってしまった。受付は、専用の端末があり、そこで受付と支払いをするなど、考えてもいなかった。
そのコインランドリーにはカフェが併設されていて、美味しいコーヒーや食事が提供されていた。定価350円のこだわりコーヒーが、洗濯をすると、110円で飲めるというので、40分の待ち時間をこのカフェで過ごした。ちょっと非日常な感じがして、Wifiも飛んでいたのでYouTubeなどを見ていると、あっという間に時間が過ぎていった。
カミサンはしきりに恐縮していたが、私にはそれ程の苦痛ではなかった。
介護施設に入ったら楽ができるかと思いきや、あれやこれやと結構いろいろなことがある。今日も二人とも休みだったので、役所に行って、介護保険、介護認定のことや、身障者の税金の減免の事などを聞いてきた。二人で聞いていたけれど、言い回しが独特なので、なかなか理解が進まなかった。
何度も思うことだけれど、本当にこの国は、一人の老人に対してお金が渦巻きすぎている。震災復興の土木工事ではないけれど、金が渦巻けば、それに対して、いろいろな人が関わるような仕組みになっている。
金を生む一人の老人と、その金を受け取る人たちの間に入り、あれこれと自分の時間を使って、やることをやらされることになる家族は、何だかなという気持ちになる。
と同時に、国家予算の三分の一が介護と医療に費やされているこの国の将来は大丈夫なのかと、再び心配になるのであった。