義父が施設に入ったことで、何とか生活が落ち着いてきた。
義父は身体が大きかったのにも関わらず、仕事柄背広を着る機会が多かったので、沢山の服を持っている。下駄箱も、半分は義父の靴が入っている。
義父はもう、家に帰ってくる事はない。何か体調に変化が起こっても救急搬送はせず、現場でできる限りの処置をするということと、看取りまでをお願いしてある。
カミサンからの依頼で、彼の物を捨てるのを手伝ってくれ、と言われていたので、ゴールデンウィークの最中、天気のいい日に作業を行った。
背広は全てオーダーメイドで、脇には名前が刺繍してある。試しに一つ羽織ってみると、腹の部分がとんでもない大きさのもので、まさに相撲取りが着るようなものばかりだ。
おそらく一着、15万位はするような感じの背広がいくつもあったのだが、これらを全てゴミの袋に入れて処分した。靴も同様に処分し、大きな靴箱が、結婚23年目にしてようやく、私たちだけで使えるようになった。
彼が寝ていた畳の部屋にはセミダブルのベッドがあるのだが、今回物を全て処分したことで広くなり、何とこのベッドを私が使ってもいいということになった。私は今まで自分の部屋の僅かなスペースに、寝袋を広げて寝ていたのだが、夢のような寝床が出現したのである。ホームセンターに行き、シーツやらベッドカバーやら布団カバーやらを買ってセットしたら、ホテルのようになった。
数日前からこの寝床で寝ているが、何だか広くておかしな感じである。しかし人間はわがままな生き物で、ここで数日寝ていると、その環境にも慣れてしまった。
ベッドの下には収納もあり、義父の物は全て処分したので、部屋全体に広々としたスペースが広がっている。
今の私の状況から言えば、身分不相応な寝床なので、寝床に合うような状況に持っていかねばと、気持ちを新たにしている次第である。
ちなみにゴミは、こちらの地域で購入する一番大きなサイズのゴミ袋で、12個ほど出た。カミサンと、これは運ぶの大変だね、臨時ゴミにお願いした方がいいかな、なんて言っていたのだが、私が気合いを入れて、愛車のポンコツランクルに詰め込んだら、一度で集積場まで運ぶことができた。幸いかな、ゴールデンウィークの半ばだったせいか、ゴミも少なく、余裕でこのゴミを処分することができた。
ちなみに写真はAIに作ってもらったもので、私の部屋ではありません(笑)