扶養を外れて働く決断:最低賃金上昇と社会保険の仕組みを考える

「ねえちょっといい?仕事のことで話があるんだけど?」

 昨日の夕飯時、カミサンがこんな事を言ってきた。

 感じからして、喧嘩になるような案件ではなさそうだった。

 聞くと、この10月から最低賃金が上がり、私の扶養の範囲内、実質106万円で働くのが難しくなってくるので、扶養を外れたいのだけれど、どうでしょう?という話だった。

 ある程度、120万とか130万とかまで働かなければ、社会保険の負担ばかりが増え、実質的には損をするからと、今までは言われてきた。

 しかし、ここへきて、賃金が建て続けに上昇し、この制度もそろそろ見直されようとしている。

 カミサンがこんなことを言ってきたのには、理由がある。

 今回このようにして社会保険に入る人を増やした企業には、国からの補助があるのだそうだ。

 この仕組みも徐々に改善されていくし、おそらくちょっとだけ働く時間を増やせば、そんなに損にはならないし、今までボーナスを辞退するとかの、非人道的な選択もしなくていいので、いいと思う。

 こうすれば、カミサンも思いっきりシフトを組むことができる。

 また、働ける内に働かないとね、とも言ってくれている。

 彼女も数々の大病をしてきて、いろいろと思うことがあるのだろう。

 さらに追い打ちをかけるように、私がこんな風になってしまったので、なおさらなのだろう。

 今日、私の会社に確認すると、手続きは特に必要なく、保険証を返納して、扶養を外れる日付を申告してくれれば、それで終わりとのことだった。

 働きたい気持ちがあり、まだまだ身体も動くのに、このような「扶養内で働く」という仕組みは、働くことを制限するものであると同時に、日本の落ちぶれた経済をかつてのレベルに持って行こうとしているベクトルに逆行している。

 近日中にメスが入るらしいのだけれど、我が家はいち早くこの仕組みから脱却し、より強固な経済力を手に入れたいと思う、なんてカッコいいことを言いたいところだけど、おそらくまだ、手取りを見るとびっくりする感じになるのだと思っている。

 とにかく、少しでも前に出て頑張るべく、このような決断をしようと思っている。