カミサンがマイナンバーカードの更新に行ってきた。
マイナンバーカードの更新は、原則区役所に行かねばできないという決まりが頭の中にあった。
少し前に私も更新があったが、区役所に行く時間を作るのに苦労した事を思い出した。
フルタイムで働いていた際には、月曜日から土曜日まで、朝の5時過ぎに家を出て、夜は20時少し前に帰ってくるという生活だった。
カミサンに届いた案内を見ると、この辺りは少しだけ改善されている。あらかじめ予約をしておけば、仙台の街中にあるアエルというビルの中で受け取ることができる仕組みが整っていた。
カミサンは平日に休みが取れるので、この点は心配ない。でも、区役所の駐車場が混雑していたり、並べば並んだで公共交通機関の乗り物と干渉したりということで、カミサンはこの区役所に行くのをとても嫌っている。
今回は、比較的空いている時間を狙って行った来たようで、駐車場は問題なく停めることができたようだ。
問題はその内容。
カミサンも同じ歳なので、もうすぐ還暦なのだけれど、女性はやはり自分の顔写真がとても気になるらしい。私なんかどうでもいいと思いながら写真を撮影するのが常だけれど、女性はいろいろとあるようで、みていると面白い。
運転免許証の写真は、免許センターで撮影される。これはどうにもならない。
しかしマイナンバーカードの場合は、自分で撮影した写真で作ることができる。
カミサンは無料のアプリを入手し、何とまあ、自分の顔を修正していたのである。
「ほら、こんなだよ。かわいいでしょ?」
「マイナンバーの写真だろ。顔認証で使うんだから、まずいんじゃないの?」
「平気だよ」
「やめとけよ」
「わかった」
カミサンは気になると言っていた目の下のたるみや、目の周りの小じわを修正し、Instagramに出てくるような顔に豹変した写真を見せてくれた。
私には、この写真は使わないと言っていた。
しかし、
「送る写真、間違えちゃってさ…」
「マスク外して下さい、って言われてチェックされたけど、大丈夫だったよ」
「ほら」
カミサンは帰ってくるや否や、声を弾ませて私にそう言い、できたてホヤホヤのマイナンバーカードを見せてくれた。
今の今まで、私はカミサンがアップする写真を間違えたと思っていたが、いやいや、そんなことないだろうと、これを書いている今は思っている。
カミサンは平気で嘘をつく。本人曰く接客業が長いので、別のことを考えながら喋ることができるのだという。
当初は私もかなり騙されたのだけれど、今は殆どの場合でお見通しだ。
しかし、今回はまんまとやられてしまったようだ。
「それさ、顔認証で使うなよ」
「だいじょうぶ、使わないですーよ」
ピタゴラスイッチの「ねずみのすー」の真似をして、とぼけている。
間もなく私たち夫婦は結婚25周年。
死ぬまで騙され続けのだろうな、などと思うも、今さらどうにもならないのであった。





