説明する医師

 義父が腹膜透析をすることになって、今いる病院から介護施設に移ることになった。担当看護師から昨日電話があり、担当医師から注意点などを含めた重要な話があるので、近日中にいらしていただけますか?と言われた。

 私は少しおかしいのか、この手の呼び出しには素直に応じない。

 仕事を休んでしまえば日給がもらえないし、義父は自分で好んで腹膜透析を選択した訳であるから、貴重な平日の一日をつぶしてざわざ出向いて話を聞きに行くなど、はいはいわかりましたと二つ返事でするわけがない。

 カミサンだけではだめなのか?と聞いたところ、やはり家族でなければダメなのだという。

 ということは、命に関わる話なのだろう。

 腹膜透析の危険性や注意点など、今の世の中、あっちこっちの病院がホームページでその内容を公開している。患部を綺麗にしなければ合併症が起こってしまうとか、腹膜透析は最長でも5年位しかできないとか、様子がおかしくなったなら、早い段階で血液透析へ移行する必要があるとか、体質によっては命に関わる状態になる可能性が何パーセントあるとか、そのようなことがいろいろと書かれている。

 ということで、腹膜透析は命に関わるのである。

 おそらくこのような内容なのだろうが、義父が腹膜透析になった経緯は少し皆様とは違う。血液透析をしようとしたのだが、物理的に無理なので、腹膜透析になった。ということは、腹膜透析ができなくなってしまったら、〇〇なのである。

 おそらく担当医は、この辺りのことをきちんと話さなければならないとの強い思いから、私たちを呼び出すのだと思う。

 当初は、家族も付き添ってケアしてあげたほうがいいとか、そのようなことを言われるのかななどと思ってしまったが、これは恐らく違う。医師が家族を呼び出すには、それなりの理由があるはずなのだ。

 看護師の電話に対して私は、週末と平日なら仕事が終わってからでなければ行けない、と突っ張った。義父の今までの行いから、わざわざ仕事を休んで話を聞きに行く気にはなれなかった。

 すると先方は、何とか仕事終わりに間に合う位の時間を指定してきた。まさか医療の側が私たちの要望を聞いてくれるなんて思っていなかったので、これは助かった。

 明日の夜、カミサンと一緒に話を聞きに行く予定になっている。

 わざわざこちらの予定に合わせてもらえたことに感謝するとともに、先方からの話はメモを取るなどして、きちんと聞こうと思っている。

 あれやこれやと慣れないことが続くが、もう少しの我慢だ。一生に何度もあることでもないだろうから、きちんとこなして行こう。