「私の住むアメリカのカリフォルニアへ、この商品を送ってもらうことはできますか?」
「もちろんオッケーですよ。ご注文をお待ちしております」
私の運営する越境EC、eBayストアのお客さんとこんなやり取りがあった。
基本的に何があろうと、eBay発症の国、アメリカを発送除外することはない。
しかし
「カートに入れると、エラーが出て買うことができないんですよ」
とのお返事。
「わかりました。調べてみますね… モバイル端末の管理画面で確認すると全世界に販売していると出ているのですが、すみません、もう一度やってみてもらえますか?」
「はいわかりました」
「やっぱりダメですね。こんなエラーが出ます」
お客さんは、エラーの画面をスクショして、メッセージに添付してくれている。いいお客さんである。
「今私は外出先なので、家に帰ってから自宅のコンピューターからサポートに確認して、ご連絡しますね」
ということで、とりあえずメッセージのやり取りが終わった。お互いスマホなので、チャットのようになって、やり取りはとてもスムーズである。
これが朝の待機時間、8時から一時間くらいかけてのこと。
気になって仕方ないので、隙間時間と昼休みを利用して、サポートに問い合わせをしてみる。確か日本語サポートがあるのだが、なかなかそれが出てこない。仕方ないので、英語で状況を書いて、フォームから送信した。昼休みに送信完了である。
家に帰って夕食後スマホを見てみると、アメリカのサポートデスクから返事が来ていた。どうやら私のセッティングが悪く、アメリカ国内に送ることができないという設定になっているようだった。
eBayのサポートはとても親切だ。わかりやすい綺麗な英語で、リンクやらイメージやらを駆使し、何とか助けてあげようという姿勢が見えて、私はとても好きなのである。
その後自宅の作業部屋で、サポートさんから言われた通りに設定を変更。単純なミスだったようだ。すぐに朝のバイヤーさんに連絡すると、おそらくカリフォルニアは朝早くだったと思うのだが、すぐに返事が来た。
「ありがとう。買うことが出来たよ。サンキュー」
「どういたしまして。FedEXですぐに発送しますね」
スマホの普及、恐るべし。
これ、アメリカとの会話なのである。
早速eBayの管理画面を見てみると、ちゃんと注文が入っていて、支払いまで終わっているので荷物を発送して下さい、との知らせが来ていた。
この時点で夜の9時過ぎだったけれど、嬉しかったのでがんばって荷物を造り、FedEXで送り状を作成し、トラッキングナンバー、追跡番号をeBayの管理画面に入力した。こうすると、先方にも知らせが届く。
少し前、いつも使っていた、厚さ5mmの輸出用の段ボール箱が切れてしまったので、久しぶりに注文しようと見てみると、価格が数年前の倍くらいになっていて驚いた。さすがに躊躇して、Amazonで厚さ3mmの箱を注文してあり、これを開封してみたのだが、やはりちょっと国際配送には強度が心もとない。
こういう時のために溜め込んである段ボールの空き箱や切れ端を使って箱を補強し、何とか国際配送に耐える強度を出し、梱包は完了した。これをやっているときは何とも思わないので、私はこの作業が好きなのだと思う。上手くできた。
FedEXの発送は簡単だ。画面から集荷依頼をして、玄関先に置いておくと、翌日の朝に取りに来てくれる。これも完了した。
これが日本郵便のシステムだと、いちいち「ゆうゆう窓口」まで持っていかねばならない。かつては本局なら24時間やっていたゆうゆう窓口も、今は夜の8時位にしまってしまうので、とても使い勝手が悪い。べらぼうに高価なEMS以外は、基本的に集荷対象外なので、安いのはいいのだけれど、これが困ったものなのである。
「荷物は明日、FedEXで発送します。そんなにかからないと思いますよ」
「ヒロシ、どうもありがとう。Have a great day!」
「You too!」
こんな風にして、運転の仕事をしながら、何とか隙間時間を使ったりして問題を解決し、お客様第一主義で、最短の時間で今回も荷物を発送することができた。
$10もしない商品なのだけど、これはこの仕事をはじめた時から販売しているとあるキャラクターの商品で、思い入れが深い。
遠くアメリカ、カリフォルニアに住む見ず知らずの方とお話しながら、こうして日本の商品を気に入ってもらい、販売するというこの仕事。お金では到底買うことのできない、心の満足を得ることができる。
ドルも安くて維持費が大変だけれど、何とか続けて行きたいと思っている。