韓国料理を作るカミサン

 カミサンが韓国料理を作るようになって久しい。

 自分でキムチを漬けたり、様々な料理を研究して作ってくれるようになった。

 結婚した頃は料理になど全く興味がなく、それは結婚後も続いていた。

 興味がないものには、熱が入るわけもなく、結婚生活後の食生活はこんなものなのだろうなと思っていた。

 きっかけをさかのぼると、コロナのようだ。

 コロナで職を失ってしまったゲイのダンサーが、生活のためにとYouTubeをはじめたのだが、この方が在日だったということから、韓国に興味を持ち始めたらしい。

 彼女はかつては旧2ちゃんねるのROM専で、当然の流れで嫌韓の血が流れていた。アイススケートやゴルフなどで韓国の選手が活躍するたび、ヘイトな事柄を口にしていた。

 そんな彼女が、180度翻った。

 K-Popを聴くようになり、とあるグループの推しになり、部屋にはSTRAY KIDS のポスターが貼られた。

 韓国の食事に興味を持ち、YouTubeを見ながら料理を研究するようになった。

 韓国の方のYouTubeばかりを見るようになり、すっかり韓国が好きになり、調子がいいときには韓国人訛りの日本語で私と話すまでになった。

 現在提供されている夕食は、殆どが韓国料理である。私は以前から腹が弱く、辛いものはダメだと思っていたのだが、食べてみるとそうでもなかった。

 韓国の料理は辛いのだけれど、その分、塩分が少ない。唐辛子に含まれているカプサイシンがいいのか、お腹の調子も夫婦で良くなった。

 また、この季節は風邪などをひきがちだけれど、今のところそんな兆候は全くなく、夫婦共々元気に暮らすことができている。
 
 また、彼女はこの時期肌が乾燥して、指にささくれなどができたり、しょっちゅうハンドクリームを塗ったりしていたのだけれど、今年はそれがないとのことで、体質が改善されたようだと言っていた。

 食事は殆どが野菜だからなのか、体調もよく、血圧も安定しており、これも韓国流の食生活のおかげではないかと思っている。

 さらに、昨今の物価高は困ったものだけれど、道の駅や直売所などに行って、新鮮で安い野菜を仕入れて、それを自らの手で調理するようになったおかげで、スーパーの総菜を滅多に買わなくなり、食費も大幅に節約することができている。

 このように身体の調子はとてもよくなっているので、あとは経済の状況がもう少し上向きになればいいなと思っている。あまり借金を増やしたくはないので、何とかこの先暮らしていけるような状況にしなければと思っている。

 カミサンは、死ぬまでに一度韓国に行きたい、などと言っている。韓国旅行をしてきた方のYouTubeを研究して、何とか言う街なら、たぶんもう歩けるよ、などとも言っている。

 人生はわからないものである。

 これからも毎日をしっかりと暮らしていこう。