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 東京オリンピックはコロナで大変だったことは記憶に新しいが、次はパリでオリンピック開催が予定されている。

 パリオリンピック会場の決まりで、一つ驚いたことがある。

 競技会場では、牛肉の販売をしないのだそうだ。

 理由は、牛のげっぷに含まれる二酸化炭素の排出を防止するため、とのこと。

 なかなか厳しい決まりである。

 ヨーロッパは、環境問題に対する意識が高い。20年以上前にダイオキシンの健康被害について報道されていた事があったが、私は当初、何も感じることがなかった。例えばその時代、屋久島では、ゴミの処理などは全くされておらず、深く掘られた穴ぼこにあれやこれやのゴミをトラックで搬入し、火を点けて焼却する、というような感じだった。今では考えられない状況だが、ほんの数年前までは、日本においてもこれが当たり前だったのである。

 電気自動車にしてもそうだ。

 日本はトヨタが、今までさんざんこき使ってきた下請けの部品製造関連会社に忖度を迫られ、電動化が遅れている。

 個人的な意見はさて置くとしても、自動車の電動化の流れは、もう既に世界中で、とくにヨーロッパを中心にして、私たちが追いつかないスピードで進んでいる。

 私はお金がないので株など買うことができないが、余裕があれば、アップルカーの株を買いたいと思っている。この先、考えられないような会社が自動車を製造するという時代が、もうすぐそこまで来ている。

 牛のげっぷの規制を聞いて、ガラパゴス化した我が日本に住む皆様は何を思われるだろうか。おそらく一番はじめにダイオキシンの報道を聞いたときの反応や、今の自動車の電動化の流れにどうしても乗ることができない今の日本を見るのと同じ感覚なのではないだろうか。

 あれをしたからエコ、これをしたからエコ、と言うのはもちろん素晴らしい事ではあるけれど、私たちはこの、牛のげっぷ規制に反応する事ができるような感性を持たなければ、この先、ガラケーで体験した苦い経験と同じことを繰り返すことになりかねない。

 難しい問題ではあるけれど、毎年の異常気象を見るなら、この問題は避けて通ることのできない、待ったなしの対策が必要なのである。その一つが、牛のげっぷ規制なのかもしれない。果たしてこの規制が日本まで来るのかどうか。世界の流れに注目することが、私たち日本人にも求められている。