秋葉賢也、安住淳、そして森下千里

 昨日はいつもの仕事が休みで、久しぶりにダンプカーの仕事をした。

 とある地域を走っていると、一枚の選挙ポスターが目に止まった。

 政治家らしからぬ綺麗な顔で微笑むその方のお名前は、森下千里。

 インターネットの広告の業界でも、人間の顔は読者を惹き付ける効果があるので、上手に使いましょう、なんて教わることもある。なるほど、政治家のポスターは見慣れているけれど、この顔と名前は、やはりインパクトがあるようだ。

 森下千里は前回の選挙で、現立憲民主党国会対策委員長、安住淳とはじめて戦った。安住淳は立憲民主党宮城県連代表を務める重鎮なので、これはどうにもならないだろうな、と思っていたものの、結果は予想を覆し、想像以上の票を獲得した。

 元タレント、元レースクィーンから一転、震災の被害を気遣い、何の身寄りもない宮城県の石巻に移住し、現在は政治家を志している。

 自民党が宮城5区に擁立し、第49回衆議院議員総選挙では安住淳に敗れ、比例東北ブロックでも次点で落選し、いまだ政治家としてのデビューは果たすことができていない。

 しかし、重鎮の安住淳と戦う森下千里は、地元宮城のテレビでも何度か取り上げられ、話題になった。右も左もわからない石巻に移住し、過去の派手な生活を全て捨て、一生懸命になって候補者たちに話しかけるその姿は、選挙区は違えど一候補者の私にも好感の持てる活動に見えた。

 私も、どのくらい安住淳に対抗できるのか、興味を持って見ていたのだけれど、確か6万票以上の票を集めたと記憶している。ここは都会ではなく、宮城県の仙台を外れた地域なので、この数字はすごいのではないかな、と、選挙素人なりに思ったものだ。

 そしてここへきて、復興大臣、秋葉賢也が叩かれている。

 おそらくもうダメだろう。

 中大法学部を卒業し、松下政経塾を卒業し、東北大学大学院法学研究科を終了し、総務大臣政務官などを勤め上げた経歴は立派としかいいようがないが、あの内容はひどすぎる。

 政治家は偉くなってしまうと、いろいろと悪いことをしてもいいと思ってしまうのだろうか。偉くなったから、値段や但し書き記載のない領収証が認められると思ってしまうのだろうか。

 一個人、一庶民の私としては、秋葉賢也よりも、庶民の声を一生懸命聞いて、何とか人の役に立ちたいと思いながら、何の身寄りもない石巻の地でただ一人頑張っている森下千里氏の方が、よっぽど政治家にふさわしいと思う。

 ちなみに私は政治に対しては中立で、ひいきの政党もないし、政治家との繋がりなど全くない。

 そんな素人が考えているのはこんな事ですよ、もっと日本を良くするにはどうすればいいのでしょうか、という根本的な問いに対する、答えの1つとして書かせていただいた次第である。

 近い将来、森下千里が、政治家としてデビューして欲しいと、ひとりの人間として単純に思っている。

 敬称略で書かせていただきました。申し訳ございません。