義父はようやく退院の許可が出たようで、これからリハビリと腹膜透析をするための病院に転院するということになった。
大腿骨を骨折して緊急搬送されたのが去年の12月はじめだから、結構かかっている。彼の身体の状況、血液透析をするためのシャントが機能しなかったことや、その他もろもろがあって、かなり入院は長引いている。
次の病院を探すにあたって、在宅時からお世話になっているケアマネからは、私の所属先の病院に入って下さいね、と言われていた。
私は何の疑いを持つことなく、彼の言うことを信じた。転院先の病院には何の問題もなく、ケアマネである彼の紹介で入ることができるのだと思っていた。
担当看護師からは当初、最終的に行くケアハウスとか、住宅型の有料老人ホームなどを決めていただければ後々スムーズなのですが、と言われていたのだが、私としては看護師に言われる前に全てケアマネに一任していたので、断っていた。
ところが一転、担当看護師から連絡があり、この病院への転院ができないと言われた、とのこと。早速ケアマネに確認すると、結構この人は適当だった。最終的に私もこんなことはやりたくなかったのだが、軽く問い詰めてみると、「私は在宅のケアマネで、病院に入った時点で貴方のケアマネではありません。お金ももらっていません」と、踵を返し、ケツを捲ってきた。
私は頭に来たが、言い合っても仕方ないので諦めて、この週末は義父のこれからの事をいろいろとやることになった。
しかし、日本の介護制度や医療制度は複雑だ。実際になってみるとか、関わってみるとかしなければ、理解できないだろう。
手元には、様々な色の「〇〇証」が5枚ほどある。彼は要介護2で、医療費は2割負担、身体障害者で、医療費は実質かからないようになっている。
調べてみると、要介護3以上で入ることのできるいい所がある。いい、という基準は、もちろんかかる費用だ。
要介護2だが、要介護3に見直してもらったほうがいいのか、その方法はどうするのか調べて、とりあえず書類を書いた。
でもよく考えると、要介護2と要介護3では、こちらが払う介護費用もかなり違う。2割負担なので、この差は大きい。
何だかんだ、インターネットを見たり、資料を請求したり、メールを書いたり、役場へ提出するための書類を書いたりしているうちに、時間が過ぎてしまった。
はじめはよくわからなかったが、いろいろと見ていくうちに、何となく仕組みがわかってきた。大体は同じような値段になるようだ。
ただ、病院に通院するなら交通費がかかるだろうし、それなら近い方がいいだろうし、いろいろと詰めなければならない所はある。
元ケアマネがあてにならないので、これからは担当の看護師さんに聞いて、整理して行かねばならない。
カミサンは、実の父のこの様な事に携わるのを極度に恐れている。過去にいろいろとあり、こんなに国民からの税金を注がれながら、自分勝手に生きてきたのにも関わらず命を繋いでいる彼が、許せないらしい。
今は夫婦二人とも何とか行動できる状況なので、ここは私が何とか頑張って、乗り越えて行かねばと思っている。
それにしても、日本の介護が置かれた状況というのは、複雑極まりないな、と、改めて思った次第である。