いつもお世話になっている開業医さんが近くにある。

 今期もインフルエンザの予防接種をお願いしようと電話してみたのだが、電話に誰も出ない。

 何度かけても出ないので、おかしいなと思った。

 こちらのお医者さんは一見すると70代の後半くらいの感じ。循環器が専門で、かつてはうちのカミサンが受けたような、カテーテルやアブレーションなどの手術をしていたんだよ、と、いつか話してくれた。

 気さくで、検診の結果を持って行っても薬の処方を強要するでもなく、コレステロール値が高いのはある程度遺伝だから仕方がないと言ってくれるなど、私はとても頼りにしている。

 でも、電話に出ない。

 確か週のなかばに休診日があったような気がして、今度はgoogleで確認してみると、何とそこには「一時休院」の赤いフォントが記されていた。

 気になったので散歩がてら見に行ってみると、病気治療中のため、しばらくの間休院します、との張り紙がされていた。

 こちらのお医者さんでは、看護師さんが一人と、受付には二人、合わせて三人の女性が働いている。当然ながら近くに薬局もあり、そこには薬剤師さんもいるし、受付の人もいる。

 私はカミサンの病気、また、義父の病気や介護の関連で、様々な看護師さん達と話をしてきている。今でも義父に何かあると、例えば今回のようにワクチンを打つというような簡単な事でも、電話がかかってくる。

 大きな病院の看護師さん達は本当に忙しそうで、頭が下がる思いだ。看護師さんも例えば命に関わる頻度の高い脳外科などはいつも張り詰めた空気があって、顔つきも動きも緊張感があると、脳外科の集中治療室にお世話になった事のあるカミサンが言っていた。

 開業医の看護師さんや、介護施設の看護師さんなどは、それに比べると穏やかな感じで、看護師の世界も運転手同様、いろいろあるなと思っていた。

 おそらく看護師さんの仕事の中では「楽」な部類に入ると思われる開業医の中の看護師さんなのだろうけれど、今回のようにまるっきりの個人開業医で、予備の先生も来ることがなく、そして経営者でもある先生が高齢で自らが病気になってしまって医院が休院になってしまったなら、これは一大事なのだろう。

 中で働いている受付の人や、この医院専属のような営業となっている薬局も然りである。

 私も仕事がないと悩む事が多いけれど、会社自体はおそらくまだ大丈夫だろうし、運んでいる荷物の取引先は、日本を代表するような大企業だから、おそらく荷物がなくなることはないと思う。

 世の中には本当にいろいろな仕事があって、それなりに大変な思いをしている人が沢山いると思う。

 国の制度やら何やらを上手に使うなどして、何とかみなさん、がんばって生き抜いて欲しい。